2026年6月25日、AVITA株式会社は、アバター接客サービス「AVACOM」に万引きなどの不正行為を抑止する新機能を開発したと発表した。AI画像解析で不審な行動を検知し、AIアバターが自然なコミュニケーションで注意喚起を行う仕組みで、2026年内の実装を予定している。
AIアバターが防犯を担う新機能を開発
AVITAが開発した新機能は、店舗内の接客カメラや監視カメラの映像をAIがリアルタイムで解析し、万引きにつながる可能性のある不審な行動を検知すると、AIアバターがその場で来店者へ働きかける仕組みである。従来の録画中心の防犯とは異なり、異常を検知した瞬間に自然なコミュニケーションを行う点が特徴だ。
AIアバターは、来店者へ視線を向けたり、身体の向きを変えたり、手を振って存在感を示すほか、音声による呼びかけやモニターへのメッセージ表示も実施する。直接的な警告ではなく、「見守られている」という意識を与えることで、不正行為の抑止を目指す。
検知対象には、店内を過度に見回す行動や、セルフレジで商品をスキャンせず持ち去る可能性がある行動、監視カメラを過度に意識する様子などが含まれる。店舗ごとの運用に応じて検知内容を設定できるため、業態や店舗環境に合わせた活用も可能になる見込みだ。
今回の開発背景には、人手不足を受けたセルフレジや無人店舗、リモート接客の普及がある。スタッフが常駐しない店舗では、防犯と省人化を両立する仕組みが求められており、AVITAは接客サービス「AVACOM」で培ったアバター技術とAI画像解析を組み合わせることで、この課題への対応を図る。
接客AIは店舗全体を支える存在へ進化するか
今回の機能追加は、AIアバターの役割が接客から店舗運営全体へ広がり始めていることを示す動きと言える。これまでのアバター接客は案内や商品説明が中心だったが、防犯や見守りまで担うことで、限られた人員でも店舗の安全性を維持しやすくなる可能性がある。
特に人手不足が深刻化する小売業では、省人化と防犯対策を同時に実現できる点が大きなメリットとなる。AIが異常を常時監視し、必要な場面だけアバターが介入する仕組みは、警備員の常駐が難しい店舗や営業時間の長い店舗でも導入効果が期待される。
一方で、不審行動の判定精度は今後の普及を左右する重要な要素である。誤検知によって通常の買い物客へ不要な注意喚起が行われれば、顧客体験の低下につながる懸念もある。そのため、店舗ごとに検知条件を適切に設定し、AIの精度を継続的に改善していく運用が欠かせない。
AVITAは今後、「AVACOM」の機能拡充を進め、防犯や見守りを含めた店舗運営全体を支援するソリューションへ発展させる方針を示している。AIとアバターの組み合わせが、接客だけでなく店舗インフラの一部として定着するかどうかが、今後の注目点となりそうだ。