2026年6月15日、株式会社askenは、AI食事管理アプリ「あすけん」に食事相談チャット機能「AIこんだて提案(β版)」をiOS向けに追加した。利用者の食事記録や好みをもとにAI栄養士キャラクター「未来さん」が次の一食を提案する機能であり、食事管理体験をより能動的なものへと進化させる取り組みとして注目されている。
AIが献立を提案 食事管理が相談型へ
今回発表された「AIこんだて提案(β版)」は従来の「あすけん」が提供してきた食事記録と栄養分析を中心とするサービスに生成AIを活用した対話型提案機能を加えるものである。利用者は栄養士キャラクターの未来さんとチャット形式で会話しながら、次に何を食べるべきかを相談できる。
特徴は、単なる一般的な献立提案ではなくアプリに蓄積された食事履歴や目標摂取カロリー、さらにその日の気分や冷蔵庫に残っている食材なども考慮したパーソナライズ提案を行う点にある。コンビニ利用や余り物の活用といった日常的な条件にも対応し、一人ひとりに適した食事選択を支援する。
開発の背景には、健康管理を継続する上での「何を食べるか決める負担」の存在がある。生成AIの普及によって誰もが気軽に質問できる環境が整う一方、健康分野では情報の正確性や実践しやすさが重要視される。当社は管理栄養士の知見を反映したAIを開発し、単なる回答ではなく実生活で活用できる提案を実現したという。クローズドβテストでは、参加者の約74%が食事選択の負担軽減を実感し、約77%が栄養バランス改善を感じたと回答している。
健康管理の伴走AIへ進化する可能性と課題
今回の機能追加は健康管理アプリ市場において「記録するツール」から「行動を提案するパートナー」への転換を示す動きと言える。これまでの健康アプリは利用者自身がデータを読み解き判断する必要があったが、AIが次の行動を提案することで意思決定の負担を大きく軽減できる可能性がある。
特に日本では高齢化や生活習慣病対策への関心が高まっており、日々の食事改善を支援するサービスへの需要は拡大している。食事履歴や栄養状態を踏まえた個別提案が一般化すれば、将来的には健康維持だけでなく予防医療分野への応用も期待される。AIが利用者の生活習慣を継続的に支援する「伴走型サービス」の競争は今後さらに加速するだろう。
一方で同社は提供情報の正確性や完全性を保証するものではないと明示している。疾患を抱える人や通院中・服薬中の人は利用対象外とされており、医療的判断を代替するものではない。健康分野でAI活用が広がるほど、提案内容の信頼性や責任範囲をどのように設計するかが重要な課題となる。
生成AIによる食事提案は、健康管理アプリの新たな標準となる可能性を秘めている。今後、あすけんが予定する上位プランや機能拡張がどこまで利用者体験を高められるかが、市場全体の方向性を占う試金石となりそうだ。