2026年4月13日、KDDIアイレットは、Akamai Cloudを基盤としたGPU調達およびAI推論基盤構築支援サービスの提供開始を発表した。低コストかつ分散型インフラにより、生成AIの本番運用を効率化する狙いだ。
分散クラウドでGPU調達から運用まで一体提供
KDDIアイレットは、分散型クラウドインフラ「Akamai Cloud」を活用し、GPU調達からAI推論基盤の構築、運用監視までを一体提供するサービスを開始した。クラウド支援サービス「cloudpack」を通じ、要件定義や設計、既存環境からの移行、24時間365日の監視までをワンストップで支援する体制を整える。
料金面では、NVIDIA RTX 4000 Adaを搭載したプランを1時間あたり0.52ドルから提供し、東京・大阪を含む全リージョンで均一価格を採用した。これにより、従来課題となっていたGPUコストの高騰や地域間の価格差を抑え、時間単位で柔軟に利用できる環境が整う。
Akamai Cloudは世界26拠点に展開し、ユーザーに近いロケーションでAI推論(※)を実行する仕組みを採用する。100人同時アクセス時でも応答速度0.24秒を実現しており、リアルタイム性が求められる生成AIの本番運用に対応する。また、国内2リージョンに加えグローバル20ロケーションにも対応し、データを国内に保持したままGPUを活用できる点も特徴となる。
※AI推論:学習済みのAIモデルを用いて、新たなデータに対する予測や判断を行う処理。本番環境では応答速度やコスト効率が重要となる。
低コスト化の恩恵と分散運用の複雑性
今回のサービスは、GPUコストの低減と調達の柔軟性を両立する点で大きな意義を持つ可能性がある。均一価格と時間課金により、企業は需要に応じたスケール調整が可能となり、特に生成AIのPoCから本番運用までの移行が容易になると考えられる。分散配置による低遅延も、ユーザー体験の向上に寄与する要素と言える。
一方で、分散型インフラは運用面での難易度を引き上げる可能性がある。複数拠点にまたがるシステムでは障害対応やセキュリティ管理が複雑化し、統合的な監視体制が重要になる。オープンな構成によりベンダーロックインを回避できる反面、環境間の最適化や整合性維持には高度な設計力が求められる場面も増えると考えられる。
今後は、AIインフラの競争軸が「性能」から「運用効率」と「分散最適化」へと移行する可能性がある。こうした環境をいかに安定的かつ低コストで運用できるかが企業の競争力を左右する要因となる可能性があり、支援サービスの価値も一段と高まっていくとみられる。
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