暗号資産ニュースメディア「JinaCoin」を運営する株式会社jaybeは、暗号資産の税制改正と投資行動に関する調査結果を公表した。
日本で検討されている申告分離課税への移行を背景に、税率20%への引き下げが投資家の意識や資産配分に与える影響が明らかになった。
税率20%への期待が過半数 投資意向にも変化
2026年5月29日に発表された今回の調査では、20代以上の日本在住者351人を対象に、暗号資産の税制改正に対する期待や投資意向を分析した。
調査は2026年4月17日から20日にかけてインターネットで実施されている。
税制改正で最も期待する内容を尋ねたところ、「税率の引き下げ(20%)」が51.1%で最多となった。次いで「確定申告の簡素化」が12.8%、「損失の繰越控除」が7.4%となり、課税負担だけでなく申告手続きの負担軽減にも関心が集まった。
日本では現在、暗号資産の利益は総合課税の対象であり、所得状況によっては高い税率が適用される。一方で、2028年以降の暗号資産取引については、約20%の申告分離課税(※)への移行方針が検討されている状況にある。
また、税率が20%に引き下げられた場合、株式や投資信託(NISAを含む)よりも暗号資産への投資を優先したいかとの質問に対し、「暗号資産を優先したい」と回答した人は31.9%となった。
「どちらともいえない」も31.9%で同率となり、「優先するとは思わない」は27.7%、「どちらにも投資しない・興味がない」は8.5%だった。
さらに保有額別では、暗号資産を50万〜100万円保有する回答者の76.2%が「暗号資産を優先したい」と回答している。10万〜50万円保有層でも57.6%が同様の回答をしており、保有経験のある層ほど税率引き下げへの反応が大きい傾向が確認された。
※申告分離課税:給与所得など他の所得と合算せず、特定の所得に対して独立した税率を適用する課税方式。株式の譲渡益や配当などで採用されている。
出典元:JinaCoin 暗号資産の税率が20%になれば、全体の3割が「株やNISAより暗号資産を優先」
税制見直しが市場参加を後押しする可能性
税率引き下げが実現した場合、投資家にとって税負担の予見性が高まり、資産配分を見直すきっかけになる可能性がある。
特に既に暗号資産へ一定額を投資している層では、追加投資への心理的な障壁が下がることも考えられる。
また、申告分離課税への移行によって株式投資との税制差が縮小されれば、投資対象としての比較が容易になるだろう。これまで税務面を懸念して参入を見送っていた個人投資家にとっても、投資を検討する契機となるかもしれない。
ただし、税率の変更だけで投資判断が左右されるとは限らない。
暗号資産特有の価格変動リスクは依然として大きく、仮に税負担が軽減されたとしても、リスク管理の重要性が薄れるわけではない点には注意が必要だろう。
今後は税率見直しの議論に加え、損失処理や申告負担の軽減策がどこまで制度化されるかも焦点となりそうだ。投資家保護と市場活性化の両立が進めば、日本の暗号資産市場の競争力向上につながることも期待できる。
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