2026年6月1日、オーケーウェブとエコテックは、生成AI時代の情報信頼基盤「OK Protocol」の共同開発を発表した。ブロックチェーンとMCPを活用し、施工実績や利用者評価をAIが参照できる仕組みを構築することで、ハルシネーション対策と信頼性向上を目指す。
施工実績と“人の声”でAI回答の信頼性向上へ
オーケーウェブとエコテックは、生成AI向けの情報検証基盤「OK Protocol」の提供に向けて業務提携契約を締結した。
OK Protocolは、AIが回答を生成する際に、Polygonブロックチェーン上へ記録された施工実績データや利用者評価を参照できる仕組みである。従来のSEO中心の情報流通とは異なり、実際の実績や第三者評価に基づく情報をAIへ供給することで、回答の信頼性向上を図る。
背景には、生成AIの普及に伴うハルシネーション問題がある。現在、多くのAIはWeb上の膨大な情報を学習・参照しているが、その中にはSEOスパムや不正確な情報も含まれている。このため、AIがもっともらしい誤情報を生成するケースが社会課題として認識されている。
オーケーウェブは27年間にわたりQ&Aサービス「OKWAVE」を運営し、800万件を超える投稿データと数百万人規模のユーザーコミュニティを形成してきた。一方、エコテックは累計10万棟以上の施工実績を持つ。両社はそれぞれが保有する「生活者の声」と「実績データ」を統合し、AIが信頼できる情報源を参照できる環境づくりを進める。
また、MCP(※)サーバーを介してAIとデータベースを接続し、暗号学的に証明された情報のみを提供する設計を採用する。さらに、自然言語処理分野の研究者である進藤裕之博士の技術監修のもと、テキストや画像などの非構造化データの解析精度向上にも取り組む計画だ。
※MCP(Model Context Protocol):AIモデルと外部システムやデータベースを接続するための標準規格。AIが信頼できるデータへ安全にアクセスする仕組みとして注目されている。
AI検索時代の信頼競争が本格化する可能性
今回の取り組みは、生成AI時代において「情報の信頼性」が新たな競争力となる可能性を示す事例の一つと言える。これまでのWeb集客ではSEO対策が重視されてきたが、今後はAIが参照する情報源として認識されること自体が重要になる可能性がある。
特に住宅、医療、金融など信頼性が求められる業界では、実績や利用者評価を証明できる仕組みが差別化要因となり得る。利用者にとっても、AIが根拠の明確な情報を提示できれば、情報収集の効率や判断の精度向上につながると期待される。
一方で、ブロックチェーン上に記録された情報であっても、登録時点のデータ品質まで自動的に保証できるわけではない。また、多くの企業や団体が参加しなければ十分なデータ量を確保できず、業界標準として普及するまでには時間を要する可能性もある。
生成AIの活用が拡大する中では、「AIを賢くする技術」だけでなく、「AIに信頼できる情報を供給する技術」への関心も高まる可能性がある。今回の提携は、ブロックチェーンと生成AIを組み合わせた新たな情報流通モデルの試みとして、今後の展開が注目されそうだ。
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