2026年5月28日、ウイングアーク1stとNTTデータ・ビズインテグラルは、AIテクノロジー「dejiren AI」と国産ERP「Biz∫」を連携するデータコネクタを2026年6月から提供すると発表した。生成AIによる入力補完やチェック機能を活用し、経理業務の効率化と品質向上を目指す。
生成AIが経理判断を支援 ERP活用を高度化
ウイングアーク1stとNTTデータ・ビズインテグラルは、AIテクノロジー「dejiren AI」と国産ERP「Biz∫」を連携するコネクタを2026年6月から提供する。第一弾として、債務登録や各種マスタデータの抽出に対応する機能を実装する予定だ。
このコネクタを利用することで、Biz∫に登録されたマスタデータを生成AIの判断材料として活用できるようになる。会計システムへの伝票登録時には、必要な入力情報の類推や提案、データ補完、内容チェックを自動化できるため、入力作業や確認業務の負荷軽減が期待される。
従来、ERP領域における生成AI活用はチャットボットや問い合わせ対応、入力補助など限定的な用途が中心だった。一方で財務・経理業務には、専門知識を必要とする判断や条件分岐、確認作業が数多く存在し、自動化のハードルが高いとされてきた。
今回の連携では、これまで複数の担当者が分担していた業務の一部をAIが支援することで、処理の迅速化と品質の平準化を図る。またERP内のデータだけでなく、企業内に蓄積されたさまざまな情報をdejiren AI上で活用できるため、システム横断型のAI活用も可能になる。
さらに、ビジネスチャットや専用クライアントから対話形式でERP内の情報を確認できるほか、複数の生成AIモデルを用途に応じて選択できる。今後はマスタデータやトランザクションデータの参照・登録機能なども順次拡張していく計画である。
経理AIエージェント普及へ 精度管理が課題に
今回の取り組みは、生成AIの活用領域が情報検索や文書作成にとどまらず、企業の基幹業務へ広がる可能性を示す事例の一つと言える。特に経理部門は定型業務が多く、人手不足への対応や業務標準化の観点からもAI導入の恩恵を受けやすい領域と考えられる。
AIによる入力補完やチェック機能が普及すれば、担当者は単純作業から解放され、分析や意思決定支援といった付加価値の高い業務へ時間を振り向けられる可能性がある。結果として、企業全体の生産性向上につながる可能性もある。
一方で、会計処理は法令や社内規程との整合性が求められるため、AIによる誤判定や不適切なデータ補完が発生した場合には内部統制や監査対応に影響を及ぼすリスクもある。導入企業では、AIの提案を人間が最終確認する運用体制が重要になると考えられる。
今後はERPと生成AIの連携がさらに進む可能性があり、経理業務だけでなく調達、人事、営業管理などの領域へも展開が広がることが予想される。企業固有の業務知識を活用しながら自律的に業務を支援するAIエージェントの普及を後押しする動きとしても注目されそうだ。
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