国内IoTメーカーのぷらっとホームは、ロジザードが開発する共通デジタル荷札「Bit Waybill」に、自社の非金融RWA技術「ThingsToken ™」が採用されたと発表した。物流情報をNFT化し、企業横断で共有可能な物流基盤の構築を目指す。
物流向けNFT荷札「Bit Waybill」と技術基盤「ThingsToken ™」が発表
「Bit Waybill」は、ロジザードが発表した貨物ごとの荷札情報を共通IDで管理するデジタル荷札システムである。企業ごとに分断されていた物流データを横断的につなぎ、配送情報を安全に共有できる仕組みとして開発された。
WMSやTMS(※1)など既存物流システムとのAPI連携を前提として設計されている点も特徴だ。
その「Bit Waybill」の技術基盤として2026年5月20日に採用が発表されたのが、ぷらっとホームの「ThingsToken ™」だ。
この技術は、設備や帳票、部品など現実世界の資産をNFT(※2)としてブロックチェーン上に記録・管理する非金融RWA技術である。
両社は、2025年2月から共同研究を進めており、全国約2,000拠点で利用されるクラウドWMS「ロジザードZERO」とThingsToken ™を組み合わせた物流DXの可能性を検証してきた。今回、その成果が具体的なサービス構想として打ち出された形になる。
物流業界では現在、ドライバー不足や輸送能力低下への対応が急務となっている。
加えて、配送情報が各社ごとに分断されていることから効率化が難しいという構造的課題も抱えている。
Bit Waybillは、こうした課題解決を目的とした物流Web3基盤として位置づけられている。
ぷらっとホームは今後、ThingsToken ™を製造、流通、エネルギー分野などへ展開する方針も示している。
※1 TMS:輸配送管理システム。配送計画や運行管理、配送状況管理などを行うシステム。
※2 NFT:ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタル証明書。所有権や識別情報を一意に管理できる。
物流Web3化の期待と普及課題
今回の取り組みは、Web3技術が金融領域を超え、物流インフラへ本格展開し始めた事例として注目できる。貨物情報をNFT化することで、配送履歴や受け渡し情報の改ざん耐性が高まり、物流データの信頼性向上につながる可能性がある。
特に、企業横断で情報共有できる共通荷札基盤が普及すれば、再配送削減や積載効率向上など物流全体の最適化が進むだろう。将来的には、食品や医薬品など高いトレーサビリティが求められる分野への応用も期待できそうだ。
一方で、物流業界全体への浸透には課題も多い。
企業ごとに異なる運用ルールやデータ仕様をどう標準化するかは大きな論点であり、共通基盤として定着するには業界全体での協調が不可欠となるだろう。
また、ブロックチェーン活用には処理性能や運用コストの問題も伴うだろう。
物流は24時間止められない社会インフラであるため、大規模運用時でも安定稼働できるかどうかが重要になるはずだ。
実証段階を超えて商用利用へ広がるかが、今後の普及を左右すると言える。
関連記事:
ぷらっとホーム、RWAトークン化事業を本格始動 専用サイト公開で産業展開へ
