米Meta PlatformsはAmazon Web Servicesとの提携拡大を発表した。エージェント型AIの処理基盤強化に向け、最新のArmベースCPU「Graviton5」を数千万コア規模で導入する計画である。
Graviton5数千万コア導入でAI基盤拡張
2026年4月24日、MetaはAWSとの新たな合意により、同社の計算基盤に数千万規模のGravitonコアを組み込む方針を明らかにした。
これによりMetaは世界最大級のGravitonユーザーの一社となる見込みである。CPU内部の処理単位であるコアは、AIの推論やタスク実行において中核的な役割を担う。
今回採用される「Graviton5」は、Armアーキテクチャを基盤としたカスタムチップであり、高速なデータ処理と広帯域を特徴とする。
特にエージェント型AI(※)のように、継続的な推論や複雑な意思決定を行うシステムでは、従来以上にCPU性能への依存が高まっているのが現状だ。
Metaは従来、自社データセンターや独自ハードウェアへの投資を進めてきたが、今回の提携は外部クラウドとの協調を強化する動きと位置付けられる。AWSとの関係は従来から続いており、今回の拡張により計算資源の多様化が一層進む形となる。
※エージェント型AI:自律的に思考・計画・実行を行い、複雑なタスクを連続的に処理するAIシステム。従来の単発応答型AIと異なり、継続的な判断能力を持つ。
AIインフラ分散戦略が競争軸に浮上
今回の提携は単なるチップ調達ではなく、AIインフラ戦略の転換点と捉えることができる。Metaは「単一アーキテクチャではすべてのワークロードに最適化できない」との立場を示しており、複数の計算基盤を組み合わせるポートフォリオ戦略を明確にしている。
このアプローチは、AIの用途が多様化する中で合理的といえる。推論処理やデータ処理、リアルタイム応答など、負荷の性質に応じて最適なチップを選択できるため、効率とコストの両面で優位性が生まれる可能性がある。
一方で、異なるアーキテクチャ間の統合や運用の複雑化は新たな課題となりうる。
また、AWS側にとっても自社製シリコンの採用拡大は重要な意味を持つ。大規模顧客による採用実績は、クラウド市場における差別化要因となり、他のハイパースケーラーとの競争を左右する要素になり得るだろう。
今後、エージェント型AIの普及が進めば、CPU中心の処理需要はさらに増大すると見込まれる。GPU偏重からのシフトが進む中で、インフラ設計そのものが企業競争力を規定する時代に入ったと言える。
関連記事:
Metaが統合された新アカウントシステムを発表 FacebookやInstagram、AIデバイスを一元管理へ
