2026年6月10日、東京都の株式会社みんがくは、教育向け生成AIプラットフォーム「スクールAI」が沖縄県教育委員会の「AI校務サポート推進事業」において令和8年度も継続導入されると発表した。約3,400アカウントでの運用を通じ、教職員の業務負担軽減と教育の質向上を目指す。
沖縄県、生成AI活用を令和8年度も継続
沖縄県教育委員会は、県内教職員が安全かつ円滑に生成AIを活用できる環境整備を目的として、「AI校務サポート推進事業」を令和8年度も継続する。今回、株式会社オーシーシーの提案のもと、株式会社みんがくの「スクールAI」が引き続き業務受託事業者として選定された。
継続導入の背景には、令和7年度の運用実績がある。教材作成やアンケート集計、会議資料の作成、文書の要約、教育相談、進路指導など、教職員の幅広い業務を支援する機能が評価された。単元やキーワードを入力するだけで指導案やプリント、小テストを作成できるほか、事務作業の効率化にも対応する。
利用期間は令和8年4月1日から令和9年3月31日まで。対象は沖縄県内の教職員約3,400人で、Windows、ChromeOS、iPadOSに対応する。入力データがAIの学習に利用されない設計や学校単位でのアクセス制御など、教育利用を前提としたセキュリティ対策も備えている。
さらに、校務向けプロンプトテンプレートの提供、利用状況の可視化、シングルサインオン、音声・画像入力などの機能も実装。教職員が日常業務の中で無理なくAIを活用できる環境づくりを進めている。
働き方改革の追い風となるか
今回の取り組みは、生成AI(※)が教育現場において実証段階から実運用へと移行しつつある流れを象徴する事例の一つと捉えることができる。事務作業や授業準備の効率化が進めば、教員が児童生徒と向き合う時間を確保しやすくなり、結果として教育の質向上につながる可能性もあるだろう。
一方で、AIを導入するだけで教育現場の課題が解決するとは限らない。教職員ごとのデジタル活用能力の差への対応や、生成された内容の妥当性を確認するリテラシーの向上は、今後の運用において重要なテーマになると考えられる。また、個人情報を扱う教育現場では、継続的なセキュリティ対策や運用ルールの見直しが求められる場面も増える可能性がある。
全国的に教員不足や長時間労働が課題として指摘される中、沖縄県の事例は他自治体にとって参考材料の一つになるかもしれない。生成AIを単なる業務効率化ツールとして活用するだけでなく、教員の専門性を支える基盤として生かせるかどうかが、今後の教育DXの方向性を考える上で重要な論点になると言えそうだ。
※生成AI:学習したデータをもとに文章や画像などを自動生成する人工知能技術の総称。教育分野では教材作成や校務支援への活用が進む一方、情報管理や適切な利用ルールの整備の重要性も指摘されている。
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