クラスター株式会社は、明治と協力し、「たけのこの里」のパッケージに描かれた家を「永久保有権付 デジタル物件」として具現化したと発表した。
300戸限定の「フォレストタワー たけのこの里」を、4月14日正午から先着順で販売する。
300戸限定のデジタル物件を分譲
2026年4月13日、クラスターは明治と協力し、バーチャル空間上に再現した「フォレストタワー たけのこの里」を販売すると発表した。
購入者は自身の専用空間として住戸を保有でき、友人を招いて交流や体験を楽しめる設計となっている。
権利証書にはNFT(※)が付与され、各住戸の所有権を明確に証明する仕組みを採用した。
企画の背景には、長年続いてきた「きのこ派 vs たけのこ派」という構図の拡張がある。
2026年3月に分譲された「フォレストヒルズ きのこの山」が一戸建てだったのに対し、今回は「戸建て派 vs タワマン派」という新たな対立軸をバーチャル空間上で打ち出した。
たけのこの里の形状をモチーフにした垂直伸長型タワーレジデンスとして設計され、ブランドの世界観を現代的に再構築した格好だ。
住戸はグレード別に複数用意され、たとえばペントハウスは限定20戸で税込15万円、専用エレベーターや空間カスタマイズ機能を備える。
ジュニアスイートは限定80戸で税込5万円とされ、専用プールや滝を配した空間が特徴である。
利用期間は2029年3月10日までで、実在の不動産ではないため登記や建築確認、固定資産税の対象外となる。
※NFT:ブロックチェーン上で発行・管理されるデジタル証明の一種。複製しにくい仕組みにより、特定のデジタル資産の唯一性や所有情報を示す用途で活用される。
所有体験の拡張と継続性が焦点に
この企画の特徴は、単なる販促キャンペーンにとどまらず、「存在しない場所を所有する」という体験価値を商品化した点だと言える。
パッケージ上の空想世界を、入室権限や部屋番号、カードキーといった不動産的な設定で具体化したことで、ファンにとってはブランドとの関係を一段深める仕組みになり得る。
リアル商品とバーチャル体験を接続する試みとしても注目に値する。
一方で、価値の持続には条件もあると考えられる。
利用期間が2029年3月10日までと明記されているため、購入者が感じる満足度は空間そのものの完成度だけでなく、期間内にどれだけ交流や活用機会を得られるかにも左右されるはずだ。
NFTによって真正性が示されても、体験の継続期間が限られる点は、一般的な不動産の所有感とは異なるだろう。
今後は、食品ブランドの世界観をデジタル空間へ拡張し、所有や交流まで設計する事例が広がる可能性がある。
反面、こうした企画が一過性の話題で終わるのか、新たな収益モデルやファン施策として定着するのかは、購入後の体験設計とコミュニティ形成の成否にかかっていると言える。
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