2026年3月10日、アライドアーキテクツの発表により、Ethereum Japanが日本企業のオンチェーン活用を研究する「Digital Assets Working Group」を設立したことが明らかになった。国内企業のイーサリアム採用支援を目的とする取り組みである。
RWA・ステーブルコイン活用へ実務WG始動
Ethereum Japanが設立した「Digital Assets Working Group」は、日本企業によるデジタル資産の実務活用を検討するための研究組織である。
株式トークン化を含むRWAやステーブルコインの活用を中心に、オンチェーン利用の実務的選択肢とインフラ要件の整理を目的としている。
同WGにはアライドアーキテクツが参加する。同社は事務局を担当し、参画企業と連携しながら日本企業がブロックチェーンやDeFi(※)を導入する際の実装検討を進める役割を担う。
世界ではすでに金融機関によるイーサリアム採用が進んでいる。
BlackRockやJPMorgan、Fidelityなど約35社の金融・テック企業が株式やマネー・マーケット・ファンド、預金などのトークン化サービスの立ち上げ、または検討を開始したとされる。
さらに、2026年2月16日時点でイーサリアム上のトークン化資産は約150億ドル規模に達し、RWA市場全体の6割以上を占めるとの公開データもあるという。
こうした流れを受け、日本でも証券会社やメガバンクによるステーブルコイン決済の実証実験や、トークン化資産の新市場構想が相次いでいる状況だ。
※DeFi(分散型金融):中央管理者を介さず、ブロックチェーン上のスマートコントラクトで金融サービスを提供する仕組み。貸付、取引、資産管理などを自動化できる。
日本企業のWeb3実装が加速する可能性
今回のWGは、日本企業にとってブロックチェーン導入の「実務的な共通基盤」を整える試みとして注目できる。
これまで国内企業は法制度や技術面の不確実性から慎重姿勢を取るケースが多かったが、具体的な実装フレームワークが整理されれば導入判断を後押しする材料になりそうだ。
特にRWAやステーブルコインは、既存金融とブロックチェーンを結びつける領域であり、企業にとっては実需を伴うユースケースを生みやすい分野といえる。
決済や資産管理の効率化、グローバル市場へのアクセス向上など、従来金融では実現が難しかった利点が生まれる可能性がある。
一方で、日本企業が本格的にオンチェーン事業へ踏み出すには課題も少なくない。
規制の整合性、セキュリティ確保、ウォレット運用などの実務面は依然として専門性が高く、企業単独での対応は容易ではないと考えられる。
それでも、産業横断の研究組織が知見を共有する仕組みは、国内Web3エコシステムの成熟に寄与する可能性が高い。
日本企業がどこまで実装フェーズに踏み込めるかが、今後の焦点になるだろう。
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