大正製薬は耳のトレーニングアプリ「AudioCardio(オーディオカーディオ)」を正式リリースした。
聞こえのチェックと耳のトレーニングをアプリ1つで行えるヘルスケアサービスで、音楽や動画を楽しみながら1日60分の“ながら聞き”で耳を鍛えられる仕組みを採用している。
耳トレアプリ「AudioCardio」提供開始
2026年3月3日、大正製薬は耳のトレーニングアプリ「AudioCardio」を正式に提供開始した。
発表日は3月3日の「耳の日」に合わせたものであり、同社にとって初となるヘルスケアアプリの展開となる。大正製薬は2025年1月に米Audio Cardio社と日本国内における独占ライセンス契約を締結しており、提供はその契約に基づくものだ。
本アプリは、スマートフォン上で「聞こえのチェック」と「耳のトレーニング」を行える機能を備える。
利用開始時には約5分の簡易測定を実施し、左右の耳を交互に測定しながら1,000Hzから12,000Hzまでの音域を8つの周波数帯に分けて聴力を測定する。
測定結果は独自スコアとして表示され、ユーザーは自身の聞こえの状態や苦手な音域を確認することが可能だ。
チェック結果をもとに、ユーザーは自分に合った周波数(※)を選択し耳のトレーニングを開始する。イヤホンやヘッドホンを装着した状態で、アプリから再生される「ぎりぎり聞こえない音」を聴取することでトレーニングする形式だ。
トレーニング音はバックグラウンド再生されるため、音楽やラジオ、動画などを視聴しながら実施できる。
推奨トレーニング時間は1日60分で、日々のチェック結果やトレーニング履歴はアプリ内に記録される。
アプリは無料でダウンロードでき、ベーシックプラン(月額1,150円)とPROプラン(月額1,700円)の有料プランが用意されている。
※周波数:音の高さを表す指標で、ヘルツ(Hz)という単位で示される。一般的に人間が聞き取れる音域は約20Hzから20,000Hzとされるが、加齢や生活環境によって高音域から聞こえにくくなる傾向がある。
聴覚セルフケアの普及は進むか
今回の取り組みは、聴覚ケアを日常の健康管理として取り入れる動きを後押しする可能性がある。
アプリによって自分の聞こえを数値化し、継続的にトレーニングできる仕組みは、スマートフォンを活用したセルフヘルスケアの流れと親和性が高い。
特に、イヤホン利用やオンライン会議の増加などにより、耳の健康への関心は高まりつつあると考えられる。
アプリ形式で耳の状態を確認できるサービスは、これまで医療機関でしか把握しにくかった聴覚状態を日常生活の中で意識させるきっかけになり得るだろう。
一方で、アプリによるトレーニングの効果には個人差があると考えられる。
聴力低下の原因は加齢や疾病など複数存在するため、すべてのケースで改善が期待できるとは限らない。
セルフケアと医療的な診断や治療の役割をどのように整理するかは今後の課題と言える。
それでも、耳の状態をデータとして把握し継続的に意識する仕組みは、デジタルヘルスの領域に新たな選択肢をもたらすだろう。
健康アプリが多様化する中で、聴覚ケアをテーマにしたサービスがどこまで利用者を広げるかが注目される。
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