2026年2月27日、株式会社メルカリは「安心・安全の取り組みに関する透明性レポート 2025年下半期版」を公表した。
不正利用者の排除と利用者救済の進捗を開示し、AI活用により2025年下半期で約76万件のアカウントを制限、トラブル遭遇率は0.38%に低減したと発表した。
76万件制限、5654万商品削除
本レポートは、2025年5月に掲げた不正利用者の「徹底的な排除」と利用者の「徹底的な救済」に関する進捗をまとめたものである。
排除方針のもと、不正利用の未然防止に向けAIを活用した監視体制を強化した。
2025年下半期には約76万件の不正アカウントを利用制限している。
さらに、AIによる監視と対応を通じ、同期間に約5,654万商品を規約違反として削除した。
取引データを学習・分析し、疑わしい出品や行為を検知する仕組みを高度化したことが背景にある。
本人確認やヒアリングの結果、不正ではないと判断されたアカウントについては制限を解除している。
メルカリは2025年9月には自社運営の「メルカリ鑑定センター」を設立し、偽ブランド品やすり替え詐欺への対応を内製化した。
対象ブランド出品時に鑑定を利用可能とした商品数は前年同期比約3.2倍となった。
補償面では、回収センター到着商品のうち99.6%で補償を実施し、48時間以内の補償完了割合は97.0%となった。
AI依存強化と説明責任の両立
AIによる大規模な監視と自動検知は、出品数と取引量が膨大なプラットフォームにおいて、人的リソースだけでは到達し得ない水準の管理を可能にするだろう。
76万件のアカウント制限や5,654万商品の削除という規模は、未然防止を重視する方針の徹底を示す数字であり、健全な取引環境を維持するうえで一定の抑止効果を持つと考えられる。
一方で、アルゴリズムによる判断が広範囲に及ぶほど、誤検知や過度な制限といった副作用のリスクも高まりそうだ。
制限解除の運用や補償の迅速化はセーフティネットとして機能し得るが、利用者が納得できる説明プロセスが伴わなければ、不信感を招く可能性もある。
不正対策の厳格化と利便性の確保は常に緊張関係にあると言える。
透明性の高い情報開示と外部有識者との議論を継続しつつ、技術とガバナンスの両輪で信頼を積み上げられるかが、今後の競争優位を左右する論点になりそうだ。
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