2026年2月26日、警察庁は2025年の少年非行や子どもの性被害に関するレポートを公表した。
生成AIなどを悪用し、18歳未満の性的画像を作成・加工した事案は114件で、被害者の9割が中高生だった。
AI悪用の性的画像加工114件
警察庁が公表したレポートによると、2025年に把握した事案は114件で、2024年の110件から微増した。
対象は、生成AIや画像加工アプリなどを悪用して18歳未満の性的画像を作成・加工したケースである。
114件のうち、生成AIを使用したことが明確なものは24件、画像加工アプリを用いたものは2件だった。
残る事案は生成AIを使ったとみられるが、特定には至っていない。
被害児童の属性では、中学生が66件で最多、高校生が32件、小学生が6件、その他が10件となっている。
加害者は同級生や同じ学校の生徒が65件で最も多く、不明が28件、SNSやオンラインゲーム、出会い系サイトで知り合った人物によるものが10件、教員や親などによるケースが7件だった。
警察庁は、「相談者・被害者の心情に配意しつつ、事案の内容に応じて刑法(名誉毀損、わいせつ物頒布)などでの検挙や指導警告を実施している」という。
また、「潜在的な事案も含めて今後も注視すべき状況」との認識を示した。
生成AI普及下で問われる未成年保護の再設計
今回公表された114件という数字は、氷山の一角に過ぎない可能性がある。
生成AIや類似ツールの利用が広がる現在、画像の作成や加工はより短時間で行える環境にある。技術そのものは今後も進化を続けると見込まれるため、未成年を対象とした不適切利用のリスクも構造的に残り続けるだろう。
とりわけ、加害者の約6割が同級生や同じ学校の生徒であった事実は重い。
これは匿名の外部犯行というより、日常的な人間関係の延長線上で事案が発生していることを示す構図だと言える。
一方で、生成AIの使用が明確に確認されたのは24件にとどまり、多くが特定に至っていないことは、技術的な検証や証拠保全の難しさを示唆する。
将来的には、AI生成物の識別技術やログ管理の高度化が求められる局面が増える可能性がある。
デジタルリテラシー教育や相談体制の強化が進めば、被害の早期発見につながる余地はあるが、若年層の間でAIツールが一般化するほど、いたずら感覚の延長で重大な人権侵害が生じる懸念は消えないだろう。
法執行、教育、技術開発の三層をどう組み合わせるかによって、被害の増減が左右される局面に入っていると言える。
警察庁 令和7年における少年非行及び子供の性被害の状況について
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