2026年2月27日、中国外務省は、OpenAIが公開した報告書に対し「事実無根だ」と否定した。報告では対話型AI「ChatGPT」が高市早苗首相を標的とする影響工作に悪用されたとされる。
中国が関与否定、AI悪用報告に反発
中国外務省の毛寧報道官は27日の記者会見で、中国当局と関係のある人物がChatGPTを使い高市首相への影響工作を試みたとの指摘について全面的に否定した。「中国はいわれのない中傷に断固として反対する」と述べたが、具体的な反証や詳細な説明は示していない。
問題の発端はOpenAIが25日に公表した悪用事例の報告書である。同社は国家関係者とみられるアカウントが政治的影響力の行使を目的とする活動に関与した可能性を明らかにしている。
※生成AI:大量のデータを学習し、文章や画像などを自動生成する人工知能技術。利便性が高い一方、偽情報拡散への悪用も懸念される。
AI透明化の意義と外交リスク
今回の事案は、生成AIの透明性確保という観点で一定の意義を持つ可能性がある。企業が悪用事例を自主的に公表する動きは、プラットフォーム責任の明確化や利用監視体制の強化につながるとの見方もあるためだ。AIガバナンス(※)の国際議論を前進させる契機になり得る。
一方で、国家関与が疑われる内容を公表することは外交摩擦を誘発する可能性も否定できない。技術企業の報告が国際政治と接点を持つケースは増えている。今後はAI企業と各国政府の関係性、さらには越境的な情報操作を抑止する国際ルール形成の行方が重要な論点になると考えられる。
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