愛知県豊田市の株式会社SkyDriveは、東京都および三菱地所株式会社、兼松株式会社と連携し、東京ビッグサイトで空飛ぶクルマの都内初デモフライトを開始した。
東京ビッグサイトで都内初飛行
2026年2月24日、空飛ぶクルマが都内で初めてデモフライトを行った。会場となった東京ビッグサイト東棟屋外臨時駐車場では、マルチローター型「SKYDRIVE(SD-05型)」が海上方向へ約3分30秒飛行した。
飛行距離は約150m、高度は13mで、自動制御およびリモート操縦による無人運航である。
大阪・関西万博および大阪港バーティポートで使用された機体と同型で、SkyDriveが都内で実機飛行を行うのは今回が初となる。
同機は「電動垂直離着陸機(eVTOL※)」に分類され、固定翼機と比較して機体がコンパクトで小回り性能に優れる。
離着陸に必要なポート面積が小さい点が特徴で、都内に多数存在する15〜20m四方の屋上ヘリポートの活用可能性が示されている。
さらに今回は、英Skyports社の協力のもと、顔認証技術を用いたチェックインや保安検査の動線も検証対象としている。
実施期間は2月28日までの5日間で、無料で見学可能だ。
※eVTOL:electric Vertical Take-Off and Landingの略。電動モーターで垂直離着陸を行う航空機の総称で、都市型エアモビリティの中核技術と位置付けられている。
都市実装の可能性と残る課題
今回の実証における最大の意義は、都心部でも小規模ポートを活用できる現実味が高まった点だろう。
駅周辺や商業施設屋上にポートを設置できれば、渋滞回避や移動時間短縮に資する可能性がある。観光や遊覧需要の創出も見込まれ、都市のプレゼンス向上にもつながり得る。
一方で、制度整備や安全基準の確立、騒音対策といった課題は依然として重いと考えられる。
無人運航への社会的信頼をどう構築するかも重要な論点となるだろう。
ポート設置には地域合意や防災計画との整合も不可欠であるため、技術だけでは解決しない側面があることは認識しておく必要がありそうだ。
とは言え将来的に、顔認証を含むデジタル搭乗プロセスが標準化されれば、航空と鉄道の中間に位置する新たな都市モビリティ層が形成されるかもしれない。
本格商用化の成否は、今後の実証データ蓄積と制度設計のスピードに左右されそうだ。
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