株式会社TORICOは、世界第2位規模のレンディングプロトコル「Morpho Association」との協業検討を開始した。日本発のイーサリアムトレジャリー企業として、資本効率の向上とオンチェーン運用戦略構築を目指す取り組みである。
TORICO、Morphoと連携しイーサリアム運用効率化を検討
2026年2月16日、TORICOはイーサリアムを中心としたデジタルアセット・トレジャリー(DAT)戦略を高度化するため、Morphoとの協業検討を開始したと発表した。
Morphoは預かり資産100億ドル超を有する世界第2位規模のレンディングプロトコルであり、企業向けオンチェーン(※1)金融の実績を持つ。
協業の背景には、イーサリアム長期保有に加えて、ステーキングやDeFi(分散型金融)を活用した資金効率向上を図るというTORICOの戦略がある。
TORICOは、ステーキング(※2)状態を維持しつつ、オンチェーン運用で利回りを高める方法を模索しており、Morphoのレンディング機能を通じたレバレッジ運用の検討が中心となる。
具体的には、Lidoなどのステーキングプロトコルで取得したトークンを担保に活用し、借入と組み合わせる形で資本効率を引き上げる戦略を想定している。
現段階ではあくまで検討フェーズであり、運用開始や資金配分は未定である。市場環境やリスクを慎重に評価した上で判断する方針だ。
リスク管理については、低レバレッジ設計や担保余裕率の確保、オンチェーンデータの常時監視を前提に構築する予定であり、段階的な実施を目指す。
また、海外法人を設立した上で、各国の法規制や実務面を踏まえた運用も検討されている。
※1 オンチェーン:ブロックチェーン上で直接行われる取引や運用を指す。
※2 ステーキング:暗号資産をブロックチェーンネットワークに預けることで報酬を得る仕組み。
企業向けオンチェーン運用、利回り向上とリスク管理の両立課題
今回の協業検討は、企業が保有資産を単なる保有から収益最大化に転換する試みとして注目できる。
オンチェーン運用により、ステーキング利回りとレンディング利回りを組み合わせた効率的な資本運用が可能になる点は大きなメリットと言える。
一方で、担保付き借入を伴う以上、価格急変時の清算リスクは避けられない。
特に暗号資産市場はボラティリティが高く、想定外の下落局面では担保率の維持が経営課題となりうる。
また、海外法人を通じた運用は法規制面での柔軟性を得やすいが、各国の規制対応や税務上の考慮が複雑になる可能性がある。
特に日本企業が国外で運用する場合、コンプライアンスと効率性のバランスが課題となるだろう。
長期的には、企業向けオンチェーン運用の先進事例として国内市場への波及効果も期待できる。
リスク管理を重視しつつ実践例を積み重ねることで、他のDAT企業や投資家にとっての指標となり、イーサリアム経済圏全体の成熟にも寄与することが考えられる。
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