感性AI、質感から物性をAI予測 素材開発プラットフォーム大型アップデート

2026年1月6日、京王グループの感性AI株式会社が、素材開発プラットフォーム「感性AI MateriaLink」の大型アップデートを発表した。AIによる質感から物性を予測する新機能を搭載し、国内企業の試作削減と開発効率向上を狙う内容である。
質感入力で物性予測 試作削減を支援するMateriaLink新機能
感性AI株式会社は、素材探索・開発プラットフォーム「感性AI MateriaLink」に、AIによる素材シミュレーション機能を追加した。
従来は熟練技術者の官能評価に依存していた質感情報を、AIが「ふわふわ」「しっとり」といったオノマトペから物理特徴量に変換し、試作前の設計検討を支援できる。
今回のアップデートでは、素材データベースとAI予測モデルの統合により、未知素材のシミュレーションも可能になった。ユーザーは専門知識がなくとも、Webブラウザ上で操作するだけで質感に対応する厚さや引張強度、透湿量などが提示される。
類似素材との比較や複数尺度による検索機能も搭載され、効率的な素材選定を実現する。
さらに、ポジショニングマップのカスタマイズ性を向上させ、43対86の豊富な感性語彙から軸を選び自由に分析できるようになった。
2軸マップでは「高級感⇔親しみやすい」「温かい⇔冷たい」といった軸を任意で設定でき、開発中製品のコンセプトに合わせた多角的分析が可能である。
素材データの実験ノート機能も追加され、各素材の官能評価結果や物理データ、関連資料をバージョン管理できる。試作履歴や条件ごとの結果を蓄積し、社内資産として活用できる仕組みを整えたことで、試作削減と技術継承の両立を狙う。
質感AI活用の広がりと産業影響、課題への対応策
感性AIを活用した素材開発は、企業間競争や製品差別化の面で新たな可能性をもたらすだろう。
これまで経験や勘に依存していた感性設計が、定量データに基づく意思決定へと変わることで、開発戦略や市場投入のスピードが大きく変化すると考えられる。
また、国内のものづくり産業全体への波及効果も期待できる。官能評価の定量化やデータ活用の文化が広まれば、製造現場のナレッジ蓄積や国際競争力向上につながるだろう。
特に素材産業における新規参入やイノベーション促進の土台となる可能性がある。
一方で、AIによる予測が広く利用されるほど、データの偏りや過信によるリスクも顕在化し得る。特定の感性評価や過去データに依存しすぎると、想定外の製品品質のばらつきや市場評価のズレが生じる恐れがある。
そのため、データ運用の透明性と現場での補完的な評価体制の構築が不可欠と言える。
総じて、今回の大型アップデートは、日本のものづくり産業における感性と物理特性の橋渡しを進め、開発効率の向上や環境配慮、技術継承に寄与する可能性が高い。適切な活用により、より消費者の感性に響く製品開発が現実的になると考えられる。
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