ChatGPTが買い物の下調べを自動化 OpenAIが新機能「ショッピングリサーチ」を公開

米OpenAIはChatGPT向けに新機能「ショッピングリサーチ」を公開した。
無料版を含む複数プランで利用可能となり、高品質なレビュー情報を基に製品候補を提示する仕組みだ。
ChatGPTが製品選びを支援する新機能を提供開始
2025年11月24日、OpenAIは、ChatGPTにショッピングアシスタント機能「ショッピングリサーチ」を追加したと発表した。
本機能は、モバイル版およびウェブ版で、無料ユーザーを含む「Go」「Plus」「Pro」各プランの利用者が使用できる。
ユーザーの質問に応じて詳細を確認する追加質問を行い、その上でインターネットのレビュー情報を調査する仕組みになっている。
この調査には、ショッピング向けに訓練されたモデル「GPT-5 mini」が採用され、高品質なレビューサイトやRedditを参照するよう調整されている。
また、ショッピングに関するタスクでは、研究モデル「GPT-5 Thinking」を上回る性能を示すとしている。
過去の会話も参照し、購入ガイドを短時間で生成できる点も特徴だ。
OpenAIは先週、ニューヨークの報道向けイベントで本機能のデモを公開した。
参加記者はエアフライヤーや贈り物選びを試し、AIが提示する前に追加質問を行う動作が確認された。
結果については、エアフライヤーの候補が最良モデルではなかったり、贈り物がミッキーマウスに偏る例が報告されている。
ショッピングリサーチは収益化されておらず、アフィリエイトによる報酬は受け取っていない。
また、Instant Checkout(※)のようなアプリ内決済機能は搭載されていない。
一方、参照元レビューサイトの情報を明示する仕組みになっており、ユーザーはレビュー全文の閲覧や購入ページへの遷移が可能である。
Pro向けの「Pulse」にもデータが活用され、ユーザー情報は小売業者と共有されないと説明されている。
※Instant Checkout:オンライン小売と連携し、アプリ上で即時決済が行える仕組み。ショッピングリサーチでは非対応。
購買行動を変える可能性と精度面の課題が並存
ショッピングリサーチの登場は、製品探しにかかる手間を削減し、比較検討の効率化を後押しする可能性がある。
複数のレビューやコミュニティ投稿を横断的に参照し、候補製品を短時間で整理する仕組みは、特に情報量が多いカテゴリで利便性が高いと考えられる。
参照元を明示する設計は透明性を確保し、ユーザーが自ら情報を確認できる点も評価できる。
一方で、デモで確認されたように、必ずしも最適解を提示できないケースが存在することは無視できない。
AIがユーザーの意図を十分に把握できないまま調査を進めると、候補が偏る可能性がある。
また、特定ブランドや最新モデルの動向を常に正確に捉えられるとは限らず、検索範囲の限界が推奨精度に影響する場面も考えられる。
利便性が高い一方、ユーザーがAIの判断を鵜呑みにするリスクも存在し、最終確認をユーザーが行う必要性は変わらない。
今後はモデル精度の改善や検索対象の拡大が進むことで、アシスタントとしての信頼性が高まる余地があると言える。
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