イオレがGaiaと提携 暗号資産金融の3領域で事業加速へ

国内上場企業イオレは暗号資産金融事業の拡大に向け、Gaiaと戦略的事業提携の基本合意を締結したと発表した。
日本企業によるDAT(トレジャリー)・DAL(レンディング)・DAM(運用)の三位一体モデル拡大に弾みがつく動きとなる。
イオレがGaiaと提携し暗号資産金融の基盤拡張へ
2025年11月18日、イオレは暗号資産金融事業の強化に向け、Gaiaとの間で基本合意に至ったことを明かした。
イオレは今年8月、暗号資産金融を新たな成長事業とする方針を示し、取得・保有による財務基盤の強化を図るDAT、暗号資産の調達を行うDAL、運用領域であるDAMの三本柱で事業を展開するとしてきた。
イオレは10月の戦略発表会で暗号資産を「取得、運用、事業活用」へ循環させるモデルを提示しており、ウォレットや決済とDeFiをつなぐ「ネオクリプトバンク」構想を公表した。
今回の提携はその第一段階となり、短期的には収益基盤の強化を重視し、特にDALの設計や調達体制の確保を優先する方針だと説明している。
Gaiaは暗号資産トレジャリー運用やスマートコントラクト監査、OES(オフエクスチェンジ決済)対応、保管設計などセキュリティ領域に強みを持つ企業である。
さらにDeFi指標「LOCKON」を展開し、Polygon上で世界3位、Arbitrum上で世界5位の実績を持つとされる。
両社はDAT領域での執行支援、DAL領域でのレンディング設計、DAM領域での運用モデル構築などで協議を進める。
また決済やオンランプ・オフランプ接続、コンプライアンス対応など幅広い領域も視野に含めた連携を検討している。
イオレは11月14日、ビットコインの追加取得も公表しており、11月7日〜14日に約13.2815BTCを購入した。
支払額は1億9,999万9,468円で、平均取得単価は約1,505万8,500円となった。
これにより同社の累計保有量は約50.677314BTCへ増加した。
3領域連動で広がる効果とリスク 事業化の成否を左右する点
今回の提携は、国内企業が暗号資産金融の3領域を一体で推進する点で注目される。
DATでの保有拡大、DALでの調達、DAMでの運用が循環するモデルが成立すれば、財務基盤の安定化と収益源の多角化が期待できる。
Gaiaの技術や指標を活用することで、リスク管理や運用判断の精度が高まる可能性もある。
一方で、暗号資産市場は価格変動や規制動向に左右されやすい領域であり、DALによる調達モデルの確立には慎重な設計が求められる。
特に、調達コストや市場変動に伴う損益リスクが事業全体の持続性に影響を与える可能性がある。
それでも、暗号資産を企業の財務戦略に組み込む取り組みが国内で広がりつつある中、今回の提携は重要な事例と言える。
イオレが構想するネオクリプトバンクの実現には、安定したレンディング基盤と運用モデルの確立が不可欠であり、Gaiaとの連携はその基盤づくりに寄与するだろう。
今後の具体的な設計や実装の進展が、事業展開の成否を左右すると見られる。
株式会社イオレ 株式会社 Gaia との戦略的提携に関する基本合意のお知らせ
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