データセンター事業を手掛けるMCデジタル・リアルティ(MCDR)は、大阪府茨木市のKIXキャンパスで「KIX15」の建設に着工した。サーバー用電源容量24MWを備える計画で、2028年第4四半期のサービス開始を予定している。
KIX15は液冷対応、国内10棟・約220MW体制へ
2026年10月7日に建設着工が発表された「KIX15」は、MCDRが大阪府の彩都エリアに展開するKIXキャンパスで、5棟目となる大規模データセンターだ。
延床面積は約1万7,672平方メートルで、地下1階・地上3階の免震構造が採用される。
サーバー用電源容量は24MWで、空冷と液冷を組み合わせたハイブリッド冷却に対応する。
同社によると、グローバル基準の建物仕様や運営体制、高いセキュリティ水準、キャンパス型の拡張性などにより幅広いインフラ需要に対応するという。
主な対象は、ハイパースケーラー、クラウドサービス事業者、AI関連企業などだ。
ネットワーク面では、同社のデータセンタープラットフォーム「PlatformDIGITAL®」や相互接続サービス「ServiceFabric®」、複数の通信事業者との連携が活用される。
大阪都市部をはじめ、国内外の主要拠点やクラウドサービスへの高品質かつ低遅延な接続環境を提供する方針だ。
サービス提供開始は2028年第4四半期が予定されている。
開設後、MCDRの国内データセンターは計10棟、サーバー用電源容量は合計約220MWとなる見込みだ。
同社は電源容量の拡充、高電力・高密度環境への対応、接続性の強化、パートナー連携を柱とする「関西AIインフラ共創プロジェクト」を中長期的に推進する計画だ。
AI需要の受け皿に期待、電力確保と稼働率が課題か
生成AIの普及が進むなかでは、AIインフラには計算能力だけでなく、消費電力に応じた冷却性能や安定したネットワーク、将来の需要増に対応する拡張性が求められるはずだ。
それらを踏まえると、「KIX15」は、企業がAIやクラウドの利用を拡大するうえでの選択肢を広げる可能性がある。
また、データセンターと通信事業者、技術パートナーの連携が進めば、企業は既存システムとの接続性を保ちながらAI環境を拡張しやすくなるだろう。
施設の容量拡大に加え、ネットワークや関連サービスを一体的に利用できる環境が整えば、関西でのAI関連ビジネスの発展につながるかもしれない。
一方、大規模施設では電力の安定確保や設備投資に加え、需要に見合う稼働率の確保が重要になるはずだ。
現時点では投資額や電力調達の詳細、稼働率の見通しは示されていないため、設備拡充が採算性に結び付くかは判断できないが、開業までにAI需要や冷却技術の要件が変化する可能性も考慮しておく必要がありそうだ。
今後は、利用企業の獲得や通信網の拡充、パートナーとの協業が事業の実効性を左右するだろう。施設の規模だけでなく、電力と接続性を安定的に提供し、変化する需要に対応できるかが、関西のAIインフラ競争力を高めるための鍵になると考えられる。
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