国内の空間情報会社アジア航測は、台風25号による神奈川県・千葉県の被害を撮影した航空写真を公開した。斜面崩壊や広範囲の浸水、太陽光パネル周辺の冠水などを上空から確認でき、防災対応や復旧の資料として活用を促している。
神奈川・千葉の被害を斜め空中写真で記録
台風25号は9月16日21時にマリアナ諸島で発生し、19日に小笠原諸島へ接近した。21日には大型で強い勢力のまま伊豆諸島や関東甲信地方に近づき、22日21時に温帯低気圧へ変わったものの、関東甲信では記録的な大雨となった。
その結果、各地で大規模な冠水や浸水、斜面崩壊が発生している。
これを受けてアジア航測は2026年9月25日、エアロトヨタと共同で航空機から24日に一部地域を撮影した画像を公開した。地上からでは把握しにくい被害の広がりを、空中写真で確認できる構成だ。
神奈川県では三浦市や横須賀市で斜面崩壊や土砂流出が記録されている。
三浦市初声町和田では国道134号沿いの被害も掲載され、道路周辺まで影響が及んでいる。
千葉県では佐倉市の高崎川沿川や農地の浸水、成田市の破堤による浸水、栄町の長門川での破堤などが捉えられた。
成田市では北印旛沼周辺のソーラーパネルと周辺一帯の浸水も確認されており、水害が市街地や農地、発電設備周辺へ広がった状況を俯瞰できる。
さらに鴨川市、市原市、木更津市、袖ヶ浦市、長柄町、茂原市、山武市などでは、山地や道路沿いの斜面崩壊、土砂流出の様子が連続的に掲載されている。
アジア航測は、公開データを現在の状況把握や今後の防災対応、現地の復旧に役立てる資料として位置付け、「現在の状況把握や今後の防災対応等の資料としてご活用いただき、現地の復旧にお役に立てれば」とコメントしている。
広域把握に有用、撮影時点と情報範囲には注意
今回の写真公開は、被災地を広い範囲で上空から確認できる点に価値がありそうだ。
実際の被害を俯瞰できれば、個別地点の写真だけでは捉えにくい浸水や斜面崩壊の広がりを確認しやすくなるはずだ。
一方、公開ページの写真は9月24日時点の撮影結果であり、掲載されているのは撮影した斜め空中写真の一部を縮小したものだ。災害現場の状況は時間とともに変化するため、写真だけで現在の安全性や被害規模を断定するのは適切ではないだろう。
また、同社も掲載情報の正確性・妥当性について責任を負わないとしているため、実務で利用する際は別の現地情報と組み合わせる必要がありそうだ。
それでも、広範囲の被災状況を共有できる航空写真は、初動把握から復旧・防災対応までを支える基礎資料になりうる。同社は今後も情報を順次更新する予定としているため、継続的に写真が追加されれば、被害の全体像を把握するための資料として有用性が高まるかもしれない。
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