米Appleは次世代のApple Intelligenceを搭載した「Siri AI」を発表した。
個人の文脈理解や画面認識、アプリ操作などを強化した新しいSiriで、英語によるベータ提供が開始されている。日本語には10月から対応予定だ。
Siri AI、情報検索からアプリ操作まで一体化
Appleが2026年9月14日に発表したSiri AIは、従来のSiriを全面的に再設計した新バージョンである。Apple Intelligenceを基盤に、メッセージ、メール、写真などにあるユーザーの情報を横断して参照し、質問への回答だけでなく、その内容に応じた操作まで実行できる。
たとえば、家族との予定について尋ねると、過去のメッセージから関連する話題を探したり、家族が以前送ってきたメールからレシピを確認して材料をリマインダーへ追加したりできる。
メールの作成や写真の編集・共有など、システム全体のアプリ操作にも対応する。
画面上の情報を理解するオンスクリーン認識も搭載される。スポーツチームのウェブサイトを見ながら試合予定を尋ね、対象の試合をカレンダーへ追加するといった使い方が可能だ。
さらに、ウェブ上の情報を利用して、スポーツの結果や旅行、地域の店舗など幅広い質問にも答える。
Siri AIはiPhoneだけでなく、iPad、Mac、Apple Vision Proにも統合される。
専用のSiriアプリでは会話履歴をiCloudで同期でき、端末をまたいで会話を続けられる。
Siri AIは英語のベータ版が順次展開されている。
フランス語、日本語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語には翌月対応する予定だ。
なお、EUではiOS、iPadOS、watchOS向けのSiri AIが初期提供の対象外となり、中国でも規制対応のため利用できない。
また、サーバー側モデルを利用する一部機能には日次の利用上限も設けられる。
AIの活用を促す一方、制約も課題に
Siri AI最大のメリットは、検索や文章作成、情報整理、アプリ操作を個別に行うのではなく、一つの会話から連続して処理できる点にありそうだ。
ユーザー自身が複数のアプリを開いて情報を探す工程を減らせれば、スマートフォンを単なる操作端末ではなく、行動を補助するAI基盤として利用する場面が増えるかもしれない。
一方で、Siri AIがメッセージやメール、写真など個人的な情報を横断して扱うほど、プライバシーへの要求も高まるだろう。
AppleはPrivate Cloud Compute(※)で処理するユーザーのリクエストについては個人データを保存せず、Appleからもアクセスできない仕組みを掲げているが、利用者にとっては機能の利便性だけでなく、データ処理の範囲を理解することも重要になるはずだ。
また、提供地域や対応言語、対応端末に差があることも注意事項と言える。
発表された機能がすべての利用者に同じ条件で提供されるわけではないことは留意する必要があるだろう。
今後は日本語対応を含む提供地域の拡大に加え、外部アプリとの連携がどこまで広がるかに注目したい。
Siri AIが日常の検索や操作を代替するだけでなく、複数のサービスを横断して処理する存在へ定着すれば、Apple製品におけるAIの役割そのものが変わる可能性がある。
※Private Cloud Compute:Appleのクラウド上のAI処理基盤。
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