2026年9月14日、東京都のRechoは、バーチャレクス・コンサルティングとパートナーシップ基本契約を締結した。音声AIを活用した案件開拓から導入、コンタクトセンター運営まで連携し、企業の顧客接点におけるAI活用を支援する。
音声AIの導入からセンター運営まで一貫支援
今回の契約により、両社はRechoの「AI Voice Agent」と「Recho AI Voice Platform」を活用した協業を開始する。案件開拓や顧客企業への提案、導入・構築に加え、AIエージェントを用いたAIネイティブなコンタクトセンター運営まで連携する方針だ。
背景には労働力不足や顧客ニーズの多様化を受け、コンタクトセンターでAI活用が広がる一方、音声AIの技術や製品を評価する業界共通の基準が確立されていない課題がある。企業側には自社業務に必要な水準を満たす技術を見極める難しさが残る。
バーチャレクスは25年以上にわたり、コンタクトセンターの戦略・業務設計、IT導入、運営を支援してきた。実運用を通じて企画からトライアル、全体展開まで進める「マザーセンターモデル」の知見も持つ。
一方Rechoは音声認識や音声合成、発話区間検出(VAD)※、対話制御を自社開発し、LLMと統合的に制御している。導入前検証では複数回の対話を通じて想定業務を完了した割合である「応対成功率95%以上」の確認を運用開始の条件としている。
※VAD:Voice Activity Detectionの略。音声データから人が発話している区間と無音区間などを検出する技術。自然な会話のタイミングを制御する音声AIの基盤技術の一つとなる。
技術と現場知見の融合が音声AI普及の鍵に
今回の協業の強みは音声AI技術の提供だけでなく、実際のコンタクトセンター運営まで含めて効果を検証できる点にある。バーチャレクスの業務・IT・運営ノウハウとRechoの技術基盤を組み合わせることで、企業は実務の中で成果を確認しながら導入を進めやすくなると考えられる。
「AI Voice Agent」は従来型のボイスボットのような定型回答にとどまらず、対話の文脈を理解して状況に応じた判断や応対を行う。問い合わせへの回答からその後の対応や通話後の処理まで顧客対応業務を完結させることを目指す仕組みだ。
また「Recho AI Voice Platform」は運用データやフィードバックを改善につなげる「Agent Factory」を備える。導入後も業務に合わせてAIエージェントを継続的に改善できれば電話対応の省力化だけでなく、顧客接点そのものをAI前提で再設計する動きにつながる可能性がある。
一方企業ごとに業務内容や求められる応対品質は異なり、実環境での精度や運用体制を継続して検証することが欠かせない。両社が今後の案件で技術と現場運営をどこまで一体化し、具体的な成果へ結びつけられるかが、音声AIの本格普及を左右するポイントとなりそうだ。