メインコンテンツへスキップ
最新ニュース 4分で読める

日立製作所、AnthropicのAI「Claude Mythos」で重要インフラの脆弱性検証を高速化

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

2026年7月28日、日立製作所は、米Anthropicが推進する「Project Glasswing」において、AIモデル「Claude Mythos Preview」を活用したセキュリティ検証の実証結果を発表した。数百万行規模のソースコード解析を高速化し、社会インフラ向けシステムの防御力強化を進める。

日立、Claude Mythosで脆弱性診断を短縮

日立製作所は、Anthropicが主導するAI活用型セキュリティプログラム「Project Glasswing」に参画し、先進AIモデル「Claude Mythos Preview(以下、Mythos)」を用いたソフトウェア脆弱性の検証を実施した。

今回の取り組みでは、日立グループ内の100以上のユースケースを対象にMythosを適用し、社会インフラ向けソフトウェアや外部公開APIに存在する潜在的な脆弱性を調査した。既存のセキュリティツールでは検出が困難だったリスク候補を特定し、具体的な修正方針の検討まで一貫して進められることを確認したという。

特に成果が大きかったのは、大規模コード解析における検証時間の短縮である。従来、数百万行規模のソースコードを対象とした脅威モデル(※)の作成には、セキュリティ専門家や開発者による数週間単位の作業が必要だった。一方、Mythosを活用することで同様の分析を数時間で実行できることを確認した。

また、AIによる脆弱性検出で課題となっていた誤検知への対応でも効果を確認した。Mythosは脆弱性の再現手順や実機検証用テストコードを自律的に生成し、検出結果の妥当性確認を支援することで、開発者の確認負荷を大幅に軽減した。

日立は今回の検証結果をもとに、社会インフラ向けソフトウェアの開発・運用プロセスへAI活用を広げ、サイバー攻撃リスクの低減を進める方針である。

※脅威モデル:システムに対する攻撃手法や潜在的なリスクを整理し、防御策を検討するための分析手法。

AI活用拡大へ、効率化と判断力が課題に

今回の日立の取り組みは、生成AIがサイバーセキュリティ領域で実用的な役割を担う可能性を示す事例と言える。AIによる大規模解析を活用すれば、人間だけでは対応が難しかった膨大なコード検証を効率化でき、開発段階から安全性を高める「シフトレフト」の推進にもつながる可能性がある。

特に重要インフラ分野では、システム停止や情報流出が社会全体へ影響を及ぼす可能性があるため、継続的な脆弱性診断の重要性は今後さらに高まると考えられる。AIによる自動分析を組み込むことで、従来より迅速なリスク発見や修正対応につながる可能性があり、企業のセキュリティ運用効率向上に寄与すると考えられる。

一方で、AIによる診断結果を過信することには注意が必要である。脆弱性の深刻度や実際の影響範囲を判断するには、システムの特性を理解した専門家による評価が不可欠だ。AIが誤った判断を行うリスクや、新たな攻撃手法への対応能力についても継続的な検証が求められる。

今後は、AIによる高速解析能力と人間の専門的な判断を組み合わせたセキュリティ体制が広がっていく可能性がある。重要インフラを支える企業では、AIを単なる自動化ツールではなく、人材の能力を補完する防御基盤として活用することが、競争力向上につながる要素の一つになると考えられる。

日立製作所 プレスリリース

関連記事:

日立、AnthropicのProject Glasswing参画 AIで社会インフラ防衛強化へ

AnthropicがClaude Mythos提供を約150組織へ拡大 日本含む15カ国超で重要インフラのAI防衛を強化

Share this article コピーしました
WRITTEN BY

PlusWeb3 編集部

Web3・AI専門メディア

PlusWeb3 編集部は、ブロックチェーン・Web3・AIの最新動向をわかりやすくお届けする専門メディアチームです。業界経験豊富な編集者とリサーチャーが、信頼性の高い情報を厳選してお届けします。

コピーしました

Web3・AI・ディープテック領域のキャリアに興味がありますか?

業界特化メディアを運営する専門エージェントが、企業のカルチャー・技術スタック・選考ポイントまで踏まえてキャリアをご提案します。相談は完全無料です。