金融・デジタル分野のコンサルティングを手がける株式会社finojectは、パブリックブロックチェーン「Kaia」を運営するUAEのKaia DLT財団と業務提携した。日本市場でステーブルコインやトークン化資産関連事業を推進し、規制対応と技術基盤の両面から事業展開を支援する。
日本市場でKaia展開を本格支援
finojectとKaia DLT財団は、日本におけるステーブルコインやトークン化、デジタルアセット関連事業の創出、およびKaiaの日本市場展開を支援するための業務提携契約を締結したと、2026年7月24日に発表した。
finojectは日本の金融事業者やスタートアップとの橋渡しを担い、金融規制や市場慣行に関するアドバイザリーを提供することで、Kaiaの技術基盤の国内実装を支援する。
KaiaはLINEの「Finschia」と韓国Kakaoの「Klaytn」が統合して誕生したパブリックブロックチェーンであり、アジア各国の法定通貨連動型ステーブルコインを活用したオンチェーン金融基盤の構築を進めている。日本円ステーブルコイン「JPYC」の実装実績も持つ。
今回の提携の背景には、日本で改正資金決済法によりステーブルコイン(※1)が制度化され、金融機関や事業者による活用検討が本格化していることがある。
日本市場では資金決済法やAML/CFT(※2)への対応が求められることから、finojectは金融ライセンス取得支援や規制対応の知見を生かし、事業戦略やパートナーシップ形成を支援する。
一方、Kaiaはブロックチェーン基盤やグローバルネットワークを活用し、日本の金融機関や事業会社、スタートアップとの連携によるユースケース創出を進める方針だ。
※1 ステーブルコイン:法定通貨などの価格に連動するよう設計されたデジタル資産。価格変動を抑え、決済や送金への利用を目的としている。
※2 AML/CFT:マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金供与を防止するための法令順守や管理体制。
規制と技術の連携が普及の鍵に
今回の提携は、日本企業が海外のブロックチェーン基盤を活用しやすくなる可能性がある点で意義が大きいと言える。規制対応と技術支援を組み合わせることで、ステーブルコインやトークン化サービスの事業化を進めやすくなり、新たな金融サービスの創出につながることが期待される。
一方で、日本のデジタルアセット市場では制度整備が進む一方、実務運用や規制解釈は今後も変化する可能性がある。海外のブロックチェーン基盤を活用する企業には、法令改正や監督当局の方針に継続して対応する体制が求められるだろう。
将来的に、日本円だけでなくアジア各国の法定通貨連動型ステーブルコインとの相互運用が進めば、国境を越えた決済や送金の効率化につながる可能性がある。
その実現には金融機関や事業者の参加拡大に加え、安全性や規制適合性を両立したエコシステムの構築が重要になりそうだ。
関連記事:
Kaia、JPYC発行チェーンで3.3億円を突破し国内首位に 韓国PoCも推進

JPYC、Kaiaテストネット対応開始 日本円ステーブルコインの開発環境拡張へ

JPYC EXが大型刷新 Kaiaチェーン対応で利用圏拡大へ
