2026年7月22日、日鉄ソリューションズ(NSSOL)は、行政機関向けクラウドサービス「NSDDDクラウド for Government 情報公開事務支援ソリューション」の提供開始を発表した。AIを活用して情報公開事務や個人情報開示請求への対応を効率化し、職員の業務負担軽減と住民サービスの向上を目指す。
AIが情報公開業務を一元支援
日鉄ソリューションズが提供する新サービスは、行政文書の検索・閲覧、不開示判断支援、電子閲覧・交付までを一元的に支援する行政機関向けクラウドサービスである。情報公開請求や個人情報開示請求に関わる一連の業務をデジタル化し、複雑な事務処理の効率化を図る。
行政機関では、行政文書の検索や開示・不開示の判断、黒塗り処理、通知書作成、閲覧・交付対応など幅広い業務が発生するほか、法令や条例の解釈に関する専門知識も求められる。その結果、担当職員への負荷集中や業務の属人化が課題となっていた。
本サービスでは、AIが開示文書内の不開示候補を抽出し、各自治体の条例やガイドラインに沿った確認作業を支援する。また、生成AIを活用して過去の答申情報を検索し、判断材料となる参考情報を提示する機能も搭載した。さらに、本人確認や手数料決済を含む電子閲覧・交付にも対応し、住民は窓口へ出向くことなく手続きを進められる。導入団体は必要な機能のみを選択でき、既存の個人情報管理機能と組み合わせることで、行政全体の情報公開業務を効率化できるとしている。
行政DXの加速へ期待と運用上の課題
今回の取り組みは、行政DX(※)を後押しする事例として注目される。AIが文書検索や不開示候補の抽出を担うことで、担当職員は確認や最終判断により多くの時間を充てられる可能性があり、業務品質を維持しながら処理時間の短縮も期待される。また、オンラインで閲覧や交付を行えるため、住民や請求者の窓口訪問負担の軽減につながる可能性もある。
一方で、不開示の最終判断は法令や条例に基づき行政機関が行うものであり、AIの提案だけで判断を完結させることは想定されていない。そのため、誤判定や判断基準のばらつきを抑えるには、人による確認体制の維持やAIの継続的な精度向上が重要になると考えられる。
今後、自治体や中央省庁で導入が広がれば、情報公開や個人情報管理業務の標準化が進む可能性がある。AIを補助的なツールとして適切に運用できるかが、行政サービスの効率化と透明性の両立を支える重要な要素になると考えられる。
※行政DX:デジタル技術を活用して行政サービスや業務プロセスを改革し、効率化と住民サービスの向上を目指す取り組み。
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