UnUniFiの概要と展望とは、gumiやコインチェック等から約2.5億円の資金調達
先月、日本発のNFTFiプロトコルであるUnUniFiが資金調達を発表したことが大きく話題となりました。本記事ではそんな「UnUniFi」について解説します。
UnUniFiの概要
UnUniFiは、コスモスエコシステム上に構築されたNFTFiのブロックチェーンプロトコルです。サービス内に独自のNFTマーケットプレイスが存在しており、その機能と連携する形でNFTレンディングサービスを提供しています。
そもそも「NFTFi」とは、NFTを担保に仮想通貨を借りたい人と貸したい人をマッチングする仕組みです。NFT + Financeを組み合わせて作られた造語です。NFTFiについての詳細や、元祖サービスである「NFTfi.com」については過去記事で解説しているのでこちらをご覧ください。
NFTFiはNFTの流動性の解決のために生まれたサービスですが、既存のNFTFiサービスは借入可能金額が小さく、借入期間も短いという課題がありました。また、例えばNFTfi.comはP2Pでのマッチングサービスであるため、マッチング相手がいなければ取引が成立しないという課題も存在します。
UnUniFiではこれらの課題を解決します。
UnUniFiは独自のNFT評価システムによって担保に入れるNFTの価値を判断することで、P2Pのマッチングではなく、自動評価を可能にしました。これによって、NFTの流動性を向上します。さらに、Interchain Yield Aggregatorモジュールを開発しており、NFTを担保に借り入れた資産を自動運用するところまでをサポートしています。
ここまでを整理します。
- UnUniFiはコスモスエコシステムの上に構築されたNFTFi(NFTレンディング)サービス
- NFTFiはNFT + Financeの造語
- 既存のNFTFiは借入金額が小さく期間も短い課題が存在した
- また、担保となるNFTの評価をP2Pでマッチングさせるため、流動性の提供がやや遅くなる可能性があった
- UnUniFiはそれを解決し、独自のNFT評価システムで効率化、その後の資産運用までをサポートする
では、より具体的な「NFT評価システム」や「使い方」についてみていきます。
UnUniFiの使い方
こちらがUnUniFiの利用フローです。
1、「NFT Holder」がUnUniFi内の「(NFT)Marketplace」にNFTを出品
2、「Bidder」が出品されたNFTに入札(Bidding)、その入札額に基づいて出品したNFTの評価額が決定
3、そのNFTの評価額を元に「ステーブルコイン」を借りる(Borrow assets)
4、その資金を運用し、NFTホルダーに報酬が入る(Auto DeFi)
5、貸付期間終了後、借入した金額分のステーブルコインを返済する(Return the assets)
6、担保にしていたNFTが返ってくる(NFT Returned)
こちらが基本的なフローですが、借入した金額分のステーブルコインの返済が滞った場合、担保としていたNFTはマーケットプレイスに出品され、最高入札をしているユーザー(Bidder)の元へ所有権が移動します。
上で解説した内容と被る部分もありますが、特徴は大きく3つあります。
○NFTマーケットプレイスの入札を元にNFTの評価額を決定
P2Pではなく独自の評価システムでNFTの評価額を審査するというのは、このUnUniFi内部のNFTマーケットプレイスの入札システムによって成り立っています。これにより、実際の需要に基づいた評価額の算定がリアルタイムで行うことが可能となります。
また、UnUniFi利用時の最初のステップで、NFTマーケットプレイスへの出品と表現していますが、これは入札されたら売却されるのではなく、あくまで評価額の算定のための出品となります。その後、借入金額を返済できれば勝手に所有権が移転することはありません。
○ステーブルコインを発行
NFTを担保に借入ができるトークンはステーブルコインです。しかも、UnUniFiが独自で発行する「JPU」「USU」のような法定通貨にペッグされた独自ステーブルコインを自動生成します。
○DeFiで自動運用
借入したステーブルコインはそのままDeFi上で自動運用できるプロトコルを設計しているため、NFTを担保に入れるだけでその後の運用までをシームレスに行うことができます。
UnUniFiの展望
では最後に、UnUniFiの展望についても解説していきます。
UnUniFiは元々はFTを担保にしたレンディングサービスを開発していましたが、その後UnUniFiと名前を変え、NFTのレンディングサービスへと軸を移しました。現在は「すべてのNFTにDeFiの機会を与える」というミッションを掲げ、活動しています。
そんなUnUniFiは、2021年第4四半期に開発を開始、テストネットには2万人以上が参加し、2022年5月にメインネットが立ち上がりました。また、2022年12月にはシードラウンドで、gumi Cryptosやコインチェックらから約2.5億円調達を果たすなど、大きく期待されています。
UnUniFiは今後PMFヘ向けた開発を強化していくと共に、展望についてもお話しさせていました。
UnUniFiは、マーケットプレイスを内蔵した独自のNFT評価システムとDeFiの自動運用機能を備えているプロトコルなので、「NFTプロジェクトでの活用」と「UnUniFi上でのDapps開発」へ力を入れていくそうです。
○NFTプロジェクトでの活用
UnUniFi上のNFTマーケットプレイスでNFTを販売することで、購入するNFTホルダーに対して自動運用のインカムゲインの特典も付与できる可能性があります。しかもこれはNFT運営者が準備するのではなく、UnUniFiの機能を使えば自動的に付与されるので、NFT運営者もホルダーもどちらにとってもメリットがある機能となります。
また、UnUniFiの対象とするNFTはアートやPFPだけでなく、不動産や証券なども範囲となるため、多くのNFTプロジェクトと協業しながら新しいユースケースを作っていくとのことです。
○UnUniFi上でのDapps開発
UnUniFiはコスモスエコシステム上で構築されていますが、独立したコンセンサスが取れるL1ブロックチェーンプロトコルでもあります。よって、例えばUnUniFiで貸し出されたステーブルコインの運用先となるDappsなど、連携できるDappsが増えれば、その運用先や方法も増え、NFTホルダーにとってもメリットが増えていきます。
○ガバナンストークン「GUU」
UnUniFiは独自トークンである「GUU」が存在します。GUUはガバナンストークンでありながら、ステーキングしながらUnUniFiのNFTマーケットプレイスへの入札ができるなど、独自の特徴を備えています。また、長期ステーキング者にはより多くの投票権を付与するなど、長期で保有するメリットも追加していくとのことでした。
というわけで、本日は日本発のNFTFiプロトコルであるUnUniFiについてリサーチしました。今後が非常に楽しみなサービスで、僕自身も引き続き注目していきたいです!
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参考文献
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