三井化学の「独自開発の生成AI」　業務時間を80%削減させることに成功

2025年1月16日、三井化学が独自開発の生成AIチャットを搭載したプラットフォームを活用し、業務時間を80%削減することに成功したと国内メディアが報じた。

このプラットフォームは、「特許分析」「新規用途探索」「営業支援」の3つの機能を備えており、2025年度から社内で本格運用を開始する予定である。

三井化学の生成AI　機能詳細

三井化学株式会社は、化学分野における専門性の高い業務ニーズに応えるため、独自の生成AIチャットを搭載したプラットフォームを開発した。

このプラットフォームにより、業務時間を大幅に削減する効果が確認されている。

開発されたプラットフォームは、3つの主要機能を備えている。

一つ目は、膨大な特許情報からユーザーの質問に応答する「特許分析機能」である。

これにより、「特許調査」「課題抽出」「技術動向調査」といった業務を効率化できる。

二つ目は、大規模な特許情報から必要な情報を導き出す「新規用途探索機能」である。

これは、新たな用途の発見や候補の立案を支援する機能だ。

そして三つ目は、「営業支援機能」である。社内情報およびウェブ情報から営業活動に役立つ知見を引き出すことができる。

「特筆すべきは、「特許分析機能」と「新規用途探索機能」において、事業部や研究開発部門の協力を得て実施した実験で、業務時間を80%削減する効果が確認された点である。

特に、構造式や表形式データを含む技術文書の解析では、従来の手法と比較して大幅な効率化が見込まれている。

さらに、「営業提案」機能は、文章データだけでなく、表形式のデータや化合物の構造式からも情報を抽出・解析することが可能であり、化学分野特有の複雑な情報処理ニーズに対応している。

これにより、「市場調査」「営業先発掘」「競合分析」といった業務を効率化できると期待される。

2025年度から社内で本格運用を開始予定

三井化学は、2024年内に事業部や研究開発部門での利用を通して実証実験を完了させており、2025年度から社内での本格運用を開始する計画だ。
この取り組みにより、事業領域のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進し、新製品開発のアイデア創造、製品のトップライン強化、マーケットシェアの拡大を目指すものとみられる。

まとめ

本プラットフォームの開発は、三井化学の研究者や技術者が持つ化学の専門知識と生成AIを組み合わせることで、従来の手法では見出せなかった新たな価値の創出を目指している。
また、この取り組みを通じて得られた知見を、化学業界全体の発展に寄与するべく、産学連携や他企業との協業も積極的に推進していく方針だ。

この革新的な取り組みは、化学産業におけるAI活用の先駆的な事例として注目されており、今後の展開が期待されている。