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H2Lが国産フィジカルAI発表 15分の体験データで成功率95%

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PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

国内企業H2Lは、人の動作と力加減を学習する国産フィジカルAI「BodySharing® Physical AI」を発表した。
社内評価では、15分間の体験データを用いたロボットの作業成功率が95%に達し、技能継承や現場作業の自動化への応用を目指す。

15分の体験データで95%、力加減も学習

H2Lは2026年10月14日、光学式筋変位センサを活用し、人の固有感覚(※)をロボットの制御に反映する「BodySharing® Physical AI」を発表した。
腕に「FirstVR」を装着し、スマートフォンやPCのカメラと専用アプリを使うことで、素手での作業を学習データとして収集できる。

同社のセンサは筋肉の膨らみを光学的に読み取り、変化から力加減を推定する。
別途取得した姿勢や動作のデータと組み合わせ、少量のトークンとして学習させる仕組みだ。
AIはその情報から動きと力加減を含む制御信号を生成し、ロボットを自律的に動かす。

双腕ロボット「Sciurus17」を使った社内評価では、約5,200万パラメータの制御モデルを学習させ、キューブとタオルの運搬整理を検証した。
3人が各5分間実演した計15分のデータでは100回中95回成功し、11人が各1分間を2回実演した計22分のデータでは100回中99回成功した。

ただし、両条件は参加者数と実演方法が異なり、学習データの時間だけで性能差を比較できない。
15分と22分はデータの長さであり、AIの計算時間ではない点にも注意が必要だ。

現在は「xArm7」と「Sciurus17」で実証済みであり、今後は6自由度以上でグリッパを備えた単腕・双腕ロボットへ対応を拡大する計画だ。
ブラウザで利用できるシミュレータの公開も準備しているが、提供時期などは未定となっている。

※固有感覚:自分の手足の位置や動き、筋肉にかかる力などを感じ取る身体感覚。物をつかむ際の力加減や姿勢の調整にも関わる。H2Lはセンサなどで得た情報をデータ化し、ロボットの動作学習に活用する。

熟練技能の継承に期待、汎用化には検証が必要

今回の技術の特徴は、作業手順だけでなく、物を扱う際の力加減まで学習対象にしたことにある。
硬さや重さが異なる対象物を扱う現場では、動作の軌道だけを再現しても、適切に作業できるとは限らない。
人の体験を入力として利用する方式は、こうした課題への対応策となり得る。

特に製造現場では、熟練者が感覚的に調整してきた作業をデータ化し、ロボットによる作業の再現や、人への技能継承に活用する用途が考えられる。
物流・小売のバックヤードや家庭内の片付けなどにも応用できれば、人手に依存してきた業務の自動化を後押しする可能性がある。

一方、今回の95%と99%は限定された作業と評価環境での結果だ。
形状や材質が異なる物体、配置が変化する現場、水場などで安定して動作するかは、個別に確かめる必要がある。
センサの装着方法や使用環境も、運用上の条件になるだろう。

また、実用化に向けては、作業環境ごとの学習データ収集や、導入先のロボットに合わせた制御調整も課題になる。
少量のデータで高い成功率を再現できれば導入負担の軽減につながるが、作業内容や環境の複雑さによっては、追加の学習や検証が必要になる可能性もある。

H2Lが目指す大規模感覚モデル「LSM」の構築においても、多様な身体情報をどこまで共通の学習基盤として活用できるかが重要になる。
現場ごとに異なる技能を再利用できる仕組みが確立されれば、ロボットの用途拡大だけでなく、産業全体の技能継承にも新たな選択肢をもたらすだろう。

H2L株式会社 プレスリリース

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