Muso Actionは、ダイキン工業の堺製作所で進めているロボット基盤モデル(VLA)を活用したキッティング工程の自動化実証がPhase 2に進んだと発表した。
現在は、現場担当者によるデータ収集からモデル検証までの実施を目指している。
現場データを活用し自動化の実証を継続
2026年10月14日に発表された内容によると、本実証はダイキンの生産技術センターと共同で行われており、複数形状の板金部品を指定の通い箱へ振り分ける工程を対象にしているという。
国内製造業の人手不足や熟練労働者の高齢化を背景に、多品種・小ロット生産に対応できる汎用ロボットの実用化が急務とされている。
従来型ロボットは部品や現場環境のばらつきへの対応が課題だった。
両社は2025年12月に覚書を締結し、データ収集やモデル学習、動作検証を進めてきた。2026年4月以降は堺製作所で現場データの収集と実証を繰り返し、夜間の工場内でも動作を検証した。
2026年7月に完了したPhase 1では、オフィスや模擬環境で集めたデータに少量の現場データを組み合わせる学習手法により、現場データが少なくても精度向上を確認したという。
Phase 2は2026年7月から11月までの計画で、現在は「MusoフィジカルAIキット」を堺製作所に導入して社内検証を進めている。
生産技術センターの担当者がノーコードでデータ収集、モデル作成、検証を行い、開発サイクルを高速化できるか確かめる。
なお、現在はあくまで実運用を見据えた検証段階であり、商用導入が決定したわけではない。
現場主導の自動化に期待 実用性の検証が鍵か
現場担当者がプログラミングに頼らず、データ収集から検証まで進められれば、ロボット導入のハードルは下がる可能性がある。
作業の変化に応じて現場でモデルを更新できれば、外部の専門家に依存する場面を減らし、自動化の対象となる工程を広げられるだろう。
一方、限定された条件下で精度が向上しても、実際の生産ラインで長期間安定して稼働するとは限らない。部品や配置の変動への対応に加え、安全性、異常時の停止・復旧、保守負担、既存設備との連携なども実用化の判断材料になるはずだ。
今後の焦点は、現場担当者が開発サイクルを継続的に回せるか、また、その手法を異なる作業や環境にも展開できるかという点にありそうだ。
再現性と費用対効果が確認されれば、フィジカルAIは一度設定して終わる設備ではなく、現場で改善を重ねる自動化基盤へ発展するかもしれない。
関連記事:
NTTデータとダイキン、AIでサーバー内部熱を予測 データセンター冷却最適化

ダイキン、AI需要で北米データセンタ冷却事業拡大 30年度に3000億円目標

リコーの「フィジカルAI」は何がすごいのか?実機データ不足を突破するLatent Action Model(LAM)の技術構造とキャリア的価値
