マイナウォレット株式会社は、日本円ステーブルコイン「JPYC」の発行・償還手続きをアプリ内で行える「JPYC EX」連携機能の提供を開始した。
サービス間を行き来する操作を減らし、初めてステーブルコインを利用する人の負担軽減を図る。
JPYC EXと連携、予約から送金まで一体化
2026年10月6日、マイナウォレット株式会社は、同社が提供する「マイナウォレット」アプリにおいて、JPYC株式会社が運営する「JPYC EX」との連携機能の提供開始を発表した。
本機能は「JPYC EX連携API」を活用し、JPYCの発行・償還に伴う一連の操作をアプリ内で進められるようにするものだ。
従来はJPYC EXに別途ログインして発行・償還を予約し、ウォレットに戻って受取確認や送金を行う必要があった。
今回の連携により、こうしたサービス間の移動を減らせるようになった。
主な機能はアカウント連携、発行、償還の3つだ。アカウント連携では、JPYC EXの認証画面をアプリ内ブラウザで開き、ウォレットアドレスの登録まで対応する。
発行時は予約からJPYCの受取まで操作でき、償還時も予約から原資の送金まで進められる。償還予約の金額は送金画面に自動反映される仕組みだ。
利用にはJPYC EXでの事前登録、本人確認、出金口座の登録が必要であり、アプリはバージョン1.2.2以上が対象となる。
発行・償還の審査や追加認証、申込みの受付・確定は引き続きJPYC株式会社が担う。
マイナウォレットは、マイナンバーカードによる本人確認とパスキー認証を採用したノンカストディアルウォレット(※)だ。
秘密鍵やシードフレーズを利用者が保管する必要はない。また、JPYCの償還時の送金にかかるガス代は原則として同社が負担する。
ただし、対象チェーンや送信回数などによっては手数料が発生する場合がある。
同社は今後、店舗決済や自治体・地域サービスでJPYCを利用できるよう、連携先を拡大する方針だ。
さらに、ミニアプリ基盤や組み込みウォレット機能を通じて外部事業者のサービスと連携し、新たな利用体験の実現を目指す。
※ノンカストディアルウォレット:利用者自身がデジタル資産の管理権限を持つ方式のウォレット。事業者が資産を預かる方式とは異なる。
操作負担の軽減に期待、普及には課題も
今回の連携により、ステーブルコインの発行・償還に伴う操作負担が軽減されると考えられる。
アドレスや送金金額の手入力が減ることで、入力ミスの抑制や初心者の利用開始につながる可能性がある。
一方、JPYC EXでの事前登録や本人確認は引き続き必要だ。審査や追加認証も残るため、発行・償還に必要な時間がどこまで短縮されるかは、実際の利用状況を見極める必要があるだろう。
条件によって手数料が発生する点も、分かりやすい案内が重要になると考えられる。
今後、店舗決済や自治体・地域サービスとの連携が進めば、JPYCの日常的な決済利用が広がる可能性がある。
また、ミニアプリ基盤や組み込みウォレット機能を通じた外部サービスとの接続は、新たなステーブルコイン関連サービスの開発を後押しすることも期待される。
ただし、利用場面の拡大は、提携先の確保や実際の需要に左右されると考えられる。操作性の改善がJPYCの継続利用につながるかが今後の焦点となるだろう。
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