2026年8月27日、国内の住友電工情報システムは、エンタープライズサーチ「QuickSolution® Ver.14.1」の販売を2026年8月31日に開始すると発表した。MCP(※)サーバを提供し、AIエージェントが社内情報を安全に検索・活用できる環境を拡張する。
MCP対応でAIエージェントから社内情報を横断検索
今回の新版では、MCPサーバをオプションで提供する。オンプレミスとクラウドに分散する社内情報を、既存の保管場所を変えることなく、MCP対応のAIエージェントから自然言語で検索・活用できる仕組みだ。
Microsoft 365 Copilotに加え、OpenAI Codex、Gemini Spark、Claude Coworkなどにも対応。AIエージェントが参照できる情報の範囲を広げながら、企業内に蓄積されたナレッジを業務へつなげやすくした点が特徴と言える。
生成AI連携(RAG)も強化した。社内情報を基にした対話と、生成AIが持つ一般的な知識を基にした対話を一つの画面から利用できるようになったほか、抽象的な質問には検索エージェントが聞き返しを行う機能も追加。アルゴリズムの改善によって回答精度の向上も図っている。
対応モデルも拡充し、ChatGPTではGPT-5.5、GPT-5.4、GPT-5.4 mini、GPT-5.4 nano、GeminiではGemini 3.1 Flash Lite、ClaudeではClaude Opus 4.7とClaude Sonnet 4.6に対応した。さらに、生成AIの利用ユーザー数や利用回数、消費トークン数を管理ツールから確認できる利用状況レポートも加わった。
※MCP(Model Context Protocol):AIエージェントが外部のデータやツールへ接続し、情報を取得・活用するための共通プロトコル。今回の製品では、社内情報をAIエージェントから検索・活用するための接続手段として提供される。
AI活用を加速する一方、情報管理の重要性も増す
QuickSolution®は発売25周年を迎え、2026年8月時点で5,700サーバ以上の導入実績を持つ。数100TBまでの規模に対応し、ファイルサーバや社内システム、SharePoint Online、Boxなどに散在する情報をファイルの中身まで横断検索できるため、AIエージェントの情報基盤として活用範囲が広がる可能性がある。
今回の強化では、秘密度ラベルの権限情報を考慮した検索にも対応した。ファイル自体の権限情報(ACL)に加えて秘密度ラベルの権限情報も検索時に考慮でき、インデックス更新の高速化も実現している。AIによる情報活用を進めるほど、誰が何を参照できるかという統制が重要になるため、安全性と利便性を両立させる方向性は大きい。
Microsoft 365/SharePointでは大規模環境の運用性を改善し、Garoonではフォルダやカテゴリーによる検索対象の絞り込みに対応した。Java 21にも対応しており、既存の企業内検索をAIエージェント時代のナレッジ活用基盤へ発展させる狙いがうかがえる。
一方、AIが社内情報へアクセスする範囲が広がれば、権限設定や情報分類の適切な運用がより重要になる。今後は検索精度だけでなく、企業が保有する情報を安全にAIへ接続できる仕組みが、エンタープライズサーチの価値を左右する可能性がある。