NTTドコモは「docomo Starlink Direct」の国際ローミング接続を米国、フィリピン、カナダで開始した。
通信網が届きにくい山岳地帯や海岸などでも、対応スマートフォンから衛星経由で通信できる。
米加比でStarlink衛星ローミング開始
NTTドコモは2026年9月1日、「docomo Starlink Direct」の国際ローミング(※)接続を米国、フィリピン、カナダで開始した。
まず「Samsung Galaxy Zシリーズ」3機種が対応し、9月中に対象端末を追加する予定である。
利用者は渡航先の対応機種を確認したうえで、端末を最新ソフトウェアに更新し、「docomo Starlink Direct」とデータローミングの設定を有効にする必要がある。
設定後は、携帯電話の通信環境を確保しにくい提供エリアで、自動的にStarlink衛星へ接続する仕組みだ。
これにより、国立公園や山岳地帯、海岸など地上回線が届きにくい場所でも、天気や地図、位置情報などを確認できる。
また、被災時の家族との通信手段としての活用も想定されている。
料金面では、「ahamo」を含む全料金プランの契約者が申し込み不要で無料利用できる。
既存の「世界そのままギガ」や「ドコモMAX」「ahamo」などの国際ローミングサービスと組み合わせることで、通常のモバイル通信と衛星通信を使い分けられる。
ドコモは今後、対応国と対応機種を順次拡大する方針を示している。
※国際ローミング:海外滞在時に現地通信事業者などのネットワークを利用し、日本で契約している携帯電話やスマートフォンを渡航先でも利用できる仕組み。
海外圏外対策を補完 対応国拡大が普及の鍵
今回の対応は、海外旅行や出張時における「圏外」のリスクを減らす手段として意味が大きい。
特に、地上基地局の整備が難しい自然公園や山間部では、従来の国際ローミングだけでは通信できない場面があり、衛星との直接接続は補完的なインフラになり得る。
利用者にとっての利点は、新たな専用端末や追加契約を用意せず、対応スマートフォンをそのまま使える点だ。
緊急時の連絡手段だけでなく、位置情報や天候確認など日常的な用途にも利用できるため、海外での行動範囲を広げる可能性がある。
一方、現時点では対応国が3カ国に限られ、端末も一部のSamsung Galaxy Zシリーズからの開始となる。
利用には端末設定やソフトウェア更新も必要であり、すべての渡航者が直ちに恩恵を受けられるわけではない。
今後、対象地域と端末が広がれば、衛星通信は災害・僻地向けの特殊機能から、海外ローミングを支える標準的な選択肢へ近づく可能性がある。
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