NTTドコモは、国内で提供する衛星直接通信サービス「docomo Starlink Direct」の接続者数が、開始から約2カ月で500万人を突破したと発表した。
山間部や離島、海上など、携帯電話の圏外になりやすい場所を補完する新たな通信手段として注目される。
開始約2カ月で接続者数500万人突破
「docomo Starlink Direct」は、SpaceXの低軌道衛星(※)を活用した衛星通信サービス「Starlink Mobile」により、衛星とスマートフォンを直接接続するサービスである。
ドコモは2026年7月10日、同サービスを4月27日に開始し、7月9日時点で接続者数が500万人を突破したと発表した。
なお、ドコモはこの数字を「利用者数」ではなく「接続者数」として公表している。
対象は「ahamo」を含むほぼ全ての料金プランで、申し込み不要かつ月額無料。
全国と領海のうち、ドコモの4G・5GやWi-Fiが使えず、空が見える遮蔽物のない屋外で利用できる。対応機種は89機種、2,500万台超に広がっている。
利用できる機能は、SMSやRCS、iMessageによるメッセージ送受信、位置情報共有、対応アプリのデータ通信、Android端末でのGemini利用、緊急速報「エリアメール」などだ。
山間部や離島、海上で天気や地図を確認できるほか、災害時の家族との連絡手段としても活用が期待される。ただし音声通話には対応していない。
※低軌道衛星:地球上空約2,000km以下の軌道を周回する人工衛星。地表に比較的近いため通信遅延を抑えやすく、多数の衛星を連携させることで広範囲に通信サービスを提供できる。
圏外対策の進展へ 災害時の通信確保に期待
Starlink活用が広がるメリットは、従来の携帯基地局ではカバーしにくかった場所でも、対応スマートフォンだけで通信手段を確保できる点にある。
専用端末を追加で持たずに済むため、登山や海上活動だけでなく、災害時の安否確認や避難情報の受信にも役立つ可能性が高い。
一方、利用には空が見える屋外環境が必要で、建物内や遮蔽物の多い場所では接続しにくいと考えられる。
音声通話が使えないほか、災害時には公共上の必要からサービスの全部または一部が停止される場合もあるため、地上回線を完全に代替する仕組みではない
今後は、対応端末やアプリの拡大により、衛星通信が「非常時だけの特別な手段」から、日常の通信網を補完する標準機能へ近づく可能性がある。
接続者数500万人という初期実績は、対応端末を通じて短期間に大規模な接続が成立したことを示す一方、実際の利用頻度や継続的な需要は今後の検証課題となる。
ドコモがこれらを改善できれば、通信空白地域の縮小と防災インフラ強化を同時に進める基盤になり得る。
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