韓国・ソウル市は、東京都デジタルサービス局とオンラインで実務協議会議を開催したと発表した。
AIやデータ行政を中心に政策事例を共有し、今後の共同研究や技術交流、実証協力につながる協力課題について議論した。
AI・データ行政で初の実務協議、協力策を検討
2026年8月31日、韓国・ソウル市は、東京都デジタルサービス局とオンラインで実務協議会議を開催したと発表した。
会議は8月28日に開かれ、両都市の実務担当者19人が参加した。
2026年4月にソウル市と東京都が締結したデジタル分野の業務協約(MOU※)の後続措置として実施され、デジタル政策や主要事例を共有するとともに、AI・データ行政分野の具体的な協力方法を検討した。
協議では、AIリテラシー向上に向けた政策、公共行政でのAI活用、市民や職員のAI能力強化などを中心に、それぞれの政策経験と今後の方向性を共有した。
ソウル市はデジタル政策と主要事業を紹介し、東京都側はデジタル戦略部の主要なAI推進事業や、公共行政分野でのAI活用支援事例を説明したという。
両都市は4月のMOUで、行政分野でのAI活用、行政データ管理とデータに基づく行政、公共部門のデジタル人材育成、相互訪問やイベント参加による人的交流、デジタル転換に関する政策協力の5分野で連携することで合意している。
今回の会議は、その合意を具体的な事業へ落とし込む初の実務協議となった。
今後は共通の関心分野から協力課題を発掘し、政策交流にとどまらず、共同研究、技術交流、実証協力など実行段階の連携へ広げる計画だ。
※MOU:Memorandum of Understandingの略。日本語では「了解覚書」などと訳され、組織間で協力方針や合意事項を確認する文書を指す。法的拘束力の有無は内容によって異なる。
都市間連携でAI行政の高度化に期待
ソウルと東京が実務レベルで継続的に政策や事例を共有できれば、各都市が個別に試行錯誤するよりも、行政AIの導入手法や人材育成策を効率的に検討できる可能性がある。
特に、AIリテラシーや公共部門での活用支援といった共通課題を比較することで、施策の改善点を見つけやすくなるだろう。
さらに、共同研究や技術交流、実証協力まで進めば、単なる情報交換から一歩進んだ成果につながる余地がある。
両都市がそれぞれ蓄積してきたデジタル行政の知見を持ち寄ることで、行政サービスの高度化や職員の業務支援に応用できる取り組みも生まれるかもしれない。
一方で、制度や行政システム、データの取り扱い方針は都市ごとに異なるため、共有した事例をそのまま相手側へ適用できるとは限らない。
実証や共同事業へ進む際には、対象業務や役割分担、成果の検証方法を具体化し、継続的に調整していくことが重要になりそうだ。
今回の協議は、4月のMOUで合意した協力方針を実務段階へ移す第一歩といえる。
今後、継続的な政策交流を通じて協力課題を具体化し、共同研究や実証といった取り組みへ発展させられるかが焦点となるだろう。
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