2026年8月26日、日本の高市早苗首相は第17回GX実行会議で「パワーGX」方針を表明した。中東情勢に対応した緊急措置の成果を踏まえ、原発の最大活用や急増するAI向け電力需要への対応を図り、需給強靭化を進める方針だ。
原発活用とAI需要対応でエネルギー強靭化へ
日本政府はGX実行会議にて、高市内閣の「パワーGX」としてエネルギー構造を強靭(きょうじん)化(※)する一連の施策を提示した。中東情勢による供給リスクへの対応に続き、化石燃料調達の多角化や代替体制の強化を図る構えである。
具体的には、安全性の確保を大前提とした原子力の最大限の活用が明記された。エネルギー価格の抑制を促すとともに、次世代革新炉の早期導入に向けNEDOの機能を抜本的に高める。さらにペロブスカイト太陽電池や地熱発電など国産脱炭素電源の開発・導入も加速させる見通しだ。
また、急激な成長を見せるAI時代の電力需要増に対応するため、発電用タービンの供給力増強、光電融合技術や省エネ型半導体を用いた革新型データセンターの開発支援も盛り込まれた。アジア諸国との連携を目指す「パワー・アジア」構想を通じ、域内サプライチェーンの安全保障強化も目指す。
※強靭化:紛争や自然災害などの外部環境の変化が生じても、重要な物資やエネルギーの供給網が途絶えず迅速に回復できる基盤を整備すること。
脱炭素と産業成長の両立へ 試される資金呼び込みの実効性
今回の「パワーGX」構想は、電力の供給不安解消にとどまらず、最先端技術を活用した新たな成長産業を創出する契機として期待が高まる。
特にAI向けデータセンターや次世代半導体といった分野への集中投資が実現すれば、国際的な産業競争力は一段と強化される可能性が高い。また、エネルギー価格の安定化が達成されれば、急激な物価高に悩まされてきた国内企業のコスト負担軽減や、民間投資の誘発という大きなメリットをもたらすだろう。
一方で、原子力発電の利活用加速に対する慎重論や、次世代技術の実用化に伴う開発リスク・巨額コストの発生は懸念材料になり得る。海外依存からの脱却を目指す一方で、民間の国内投資を想定通り呼び込めるかどうかが主要な課題になると考えられる。
エネルギー安全保障と経済成長、脱炭素という複雑な方程式をいかに成立させるか。年末までに取りまとめられる本戦略の具体的なロードマップとその実行力が問われる。
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