2026年8月26日、広島国際空港、ALSOK広島、KDDIスマートドローンの3社は、広島空港で国内初となる「Skydio Dock for X10」を活用した夜間の航空灯火設備点検実証を実施したことを発表した。自動離発着・充電機能を備えたドローンポートを活用し、遠隔から灯火設備を確認できることを実証し、空港インフラ管理の効率化に向けた新たな可能性を示した。
国内初のドローンポートで夜間点検を実証
今回の実証では自動離発着と充電機能を備えたドローンポート「Skydio Dock for X10」を広島空港内へ設置し、午後11時から翌午前1時、および午前4時15分から午前6時にかけて、航空灯火設備の遠隔点検を実施した。対象となったのは滑走路灯、誘導路灯、進入灯であり、ドローンは夜間に自律飛行し、搭載カメラで各設備の点灯状況を確認した。
実証では広範囲に設置された灯火設備を一度に確認できたほか、橋梁上に連なる進入灯も上空から点検できることを確認した。これまで車両による巡回や徒歩で行っていた点検について、作業員が現地へ赴かずに実施できる可能性が示された点が大きな成果である。
航空灯火設備は空港の安全運航を支える重要インフラであり、毎日の点検が欠かせない。一方で夜間の限られた時間内に広範囲を目視確認する必要があり、現場作業の負担は小さくなかった。今回の取り組みはこうした保守業務の効率化に向けた実証として位置付けられる。
空港運営の省力化へ 遠隔点検の活用が広がる可能性
今回の成果は単にドローンで点検を行ったという実証にとどまらない。自動離発着や充電機能を備えたドローンポートを組み合わせることで、定期的な点検業務を遠隔から継続的に実施できる可能性が示された点に意義がある。点検のために現場へ移動する時間を削減できれば、人員をより付加価値の高い業務へ振り向けられることも期待される。
3社は今後本実証で得られた知見をもとに、日常的な巡回監視や保守点検へのドローン導入を検討するとしている。広島国際空港は実証フィールドや空港運用の知見を提供し、ALSOK広島は巡回・警備業務の知見を担当、KDDIスマートドローンはドローンポートや遠隔運航技術を提供した。
一方で今回の実証は灯火設備の点灯確認を対象としたものであり、すべての保守業務を代替できることが確認されたわけではない。今後は実運用に向けた検証を重ねながら、遠隔点検と現地作業をどのように組み合わせるかが重要なテーマとなるだろう。持続可能な空港運営を支える新たなインフラとして、AIドローンの活用がどこまで広がるか注目される。