2026年8月21日、博報堂DYホールディングスとHakuhodo DY ONEは共同開発した実践型AI研修プログラム「HassoAIブートキャンプ」の提供を開始した。自社グループ約3,000人への実施成果をもとに、国内企業の全社的な生成AI実装と定着を後押しする。
博報堂DYグループのナレッジを結集 実務定着に特化したプログラム
博報堂DYホールディングスとHakuhodo DY ONEは、横断的な専門家集団「HCAI Professionals」の活動の一環として、外部企業向けにAI研修プログラムの提供へ踏み出した。
背景には、多くの企業で生成AIの導入が進むものの、実務で活用できる社員が一部に限られ、組織内における活用格差が顕在化している問題が存在する。従来の研修は座学中心の単発形式が多く、実務への定着や継続的なフォロー、客観的な効果測定が難しかった。さらに教育ニーズも単なるプロンプト習得から、AI前提の業務フロー再設計へと変化している。
本プログラムは、AIアバター講師による講義と独自開発の「評価AI」による採点を組み合わせ、人事やDX担当者の負荷を抑えつつ受講度の可視化を実現させた。さらに複数AI機能の連携や各部門の具体的活用シーンに即した成果物作成を通じ、短期間での全社AIシフトを支援する。
業務インフラ化への転換がもたらす効果 組織カルチャー変革と運用の壁
「HassoAIブートキャンプ」の導入は、企業における生成AIの扱いを単なる対話ツールから不可欠な業務インフラへと引き上げる画期的な一歩となる。
最大のメリットは、研修プロセス全体にAIをフル活用することで品質の格差を最小化し、大規模な組織でも効率的にAIシフトを推進できる点にある。「評価AI」が提出物を5段階で客観的に評価し、具体的なフィードバックを与える仕組みによって「学ぶ・実践・評価・改善」のサイクルが確立される。この学習プロセスは、スキル定着だけでなく組織全体のカルチャー変革を強力に加速させる可能性が高い。
一方で、企業の業種や独自の業務課題に応じたフルカスタマイズ提供を行うため、導入企業側にも自社の実務課題を明確化するプロセスが求められる。単なる研修プログラムで終わらせず、その後のコンサルティング領域まで見据えた継続的な運用を行えるかが、真の生産性向上に向けた課題と言えそうだ。