株式会社きづなとわは、NFTやAI技術を活用したデジタルメモリアルサービス「きづなとわ」β版の提供開始を発表した。
想い出や家系図、メッセージなどをWeb上に残し、場所に依存しない新しい終活・供養の形を提案する。
NFTで記録の継承基盤を構築
2026年8月20日にプレスリリースが発表された「きづなとわ」は、8月8日に提供を開始した、利用者専用のWebページに人生の記録を蓄積し、家族や知人と共有できる終活サービスである。
基本情報を登録すると専用ページが発行され、記念的な場所を位置情報や写真、テキスト、音声とともに残す「想い出のしるし」のほか、個別メッセージ、家系図、写真などを登録できる。
閲覧は専用URLとパスワード、またはQRコードを共有した相手に限定され、共有先は会員登録なしで閲覧可能だ。
Web検索には表示されない設計とし、遠方に住む家族や墓参りが難しい人でも、時間や場所に左右されず記録へアクセスできる。
特徴は、ページ作成時の基本情報とURLをNFT(※)として登録する点にある。
ブロックチェーンの改ざん耐性を活用し、そのページが誰に紐づくものかを示す土台を形成する。
その上に想い出や家系図、メッセージ、写真を積み重ねることで、長期的な保存と継承を目指す。
背景には、高齢化とシニア層のデジタル利用拡大がある。65歳以上人口は2024年10月時点で3,624万人、高齢化率は29.3%に達しており、60代のインターネット利用率も高水準となっている。
高齢化とシニア層のデジタル利用拡大を背景に、終活のデジタル化を新たな選択肢として提示した形だ。
※NFT:ブロックチェーン上で発行・管理されるデジタルデータ。識別情報や記録を改ざんされにくい形で保持でき、デジタル上の権利や証明、履歴管理などに活用される。
供養の選択肢拡大と継承課題
デジタルメモリアルの利点は、墓や仏壇といった物理的な場所に依存せず、家族の記憶や故人の歩みを共有できる点にある。
住まいの遠隔化や後継者不在が進むなか、Web上で記録を参照できる仕組みは、従来の供養を補完する選択肢になり得る。
特に、写真や音声、メッセージなど複数の情報を一つのページに集約できれば、故人を偲ぶ体験をより個人的かつ継続的なものにできる。
家族が離れて暮らす場合でも、同じ記録へアクセスできるため、世代を超えた思い出の共有にもつながると考えられる。
一方で、長期保存を掲げる以上、サービス継続性や閲覧権限の管理、家族間での扱い方などは重要になる。
NFTを基盤にしても、写真やメッセージを含むサービス全体を将来にわたり利用できるかは、運営体制やデータ管理の設計に左右されるためだ。
また、故人に関する情報は極めて私的な内容を含むため、誰がどこまで閲覧・編集できるのかを明確にする必要もある。
代理登録が広がれば、本人の意思をどのように確認し、記録の正確性をどう担保するかも課題となる。
今後、さらに樹木葬や納骨堂、手元供養などの事業者との連携を広げ、終活からWeb供養までを一体化できれば、デジタルと現実の供養をつなぐ新たな市場形成につながる可能性がある。
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