2026年8月6日、米国のSpaceXは、Teslaと共同で推進するAI半導体工場「Terafab」をテキサス州グライムズ郡に建設すると発表した。製造からパッケージング、試験までを一体化した世界最大級の半導体工場を整備し、急増するAI計算需要への対応を目指す。
世界最大級のAI半導体工場をテキサスに建設
TerafabはSpaceXとTeslaが共同で進める大規模半導体製造プロジェクトである。今年4月にはGiga Texas北キャンパスで研究施設の建設が始まり、その発展形として本格的な生産拠点をグライムズ郡に整備することが明らかになった。製造・パッケージング・試験を単一施設に集約することで開発サイクルを短縮し、高性能半導体の迅速な供給を実現する狙いがある。
SpaceXとTeslaでは今後必要となる計算資源が合計1テラワット(TW)を超えると見込んでおり、現在の世界全体の供給能力を大きく上回るという。この供給不足への対応がTerafab建設の主な背景となっている。工場の製造面積は1億平方フィート超を計画しており、TeslaのOptimusロボットや自動運転Cybercab向けのエッジAI半導体、さらにSpaceXの宇宙データセンター向け高性能半導体を生産する予定だ。
初期投資額は約168億ドルとされ、少なくとも3,000人を雇用する計画である。地域雇用や人材育成にも取り組み、地元教育機関と連携して将来の技術者育成を進める方針も示された。
AI半導体競争を加速する一方、巨額投資と供給責任も
Terafabの建設はAIの急速な普及によって高性能半導体の需要が拡大する中、供給能力を抜本的に引き上げる取り組みとして注目される。製造工程を一カ所へ集約することで開発効率の向上が期待されるほか、米国内で先端半導体を生産する体制の強化にもつながる可能性がある。
またテキサス州ではStarbaseなど既存拠点を通じて多数の雇用や経済効果を生み出しており、Terafabも地域経済への新たな波及効果が見込まれる。一方で計画は極めて大規模であり、投資額や建設期間、安定した生産体制の確立が今後の重要な課題となるだろう。環境面では地下水ではなく貯水池の水を利用するほか、排水処理や水の再利用、法令を上回る環境対策を目指すとしている。
AI向け半導体を安定的に供給できるかどうかは、宇宙開発やロボティクス、自動運転など幅広い分野の競争力にも影響を及ぼす。Terafabの進展はAI時代のインフラ整備を占う重要なプロジェクトとして今後も注目を集めそうだ。