楽天グループと日本旅行は、地域の担い手活動を体験できる旅行券型のふるさと納税返礼品を共同開発する。
第1弾として山梨県北杜市と長野県上田市での取り扱いを予定し、地域と継続的に関わる「ふるさと住民」の拡大を目指す。
旅行券で地域の担い手活動を体験へ
2026年7月30日、国内の楽天グループと日本旅行は、総務省が創設を目指す「ふるさと住民登録制度」の推進に向けた連携を開始した。
両社は、寄付者が地域を訪れて担い手活動に参加できる「担い手活動付き日本旅行 旅行券」を、ふるさと納税返礼品として共同開発する。
第1弾として、山梨県北杜市と長野県上田市での取り扱いを予定している。
楽天が持つふるさと納税のマーケティングノウハウと、日本旅行が得意とする着地型コンテンツの企画・手配力に、各自治体の地域資源を組み合わせる形だ。
寄付者は返礼品を活用し、地域の伝統工芸体験や、農家と交流しながら行う収穫体験などに参加できる。単に旅行先を訪れるだけでなく、地域の担い手活動に参加することで、継続的な関係を築く「ふるさと住民」への第一歩となる仕組みだ。
寄付受付は、「楽天ふるさと納税」の各自治体特集ページにおいて、同サイト限定の返礼品として年内に順次始まる予定である。
今回の連携は、楽天が「ふるさと住民登録制度」の社会実装に向けて設立した「ふるさと住民応援コンソーシアム」の取り組みの一環でもある。
寄付を継続的な地域参加へつなげる
最大の利点は、ふるさと納税を一度きりの寄付や返礼品の受け取りで終わらせず、地域との継続的な接点に変えられる点にある。
現地で住民や事業者と交流しながら活動を体験することで、再訪や別の形での参加につながる可能性も高まるだろう。
自治体にとっては、観光客の誘致に加え、農業や伝統産業などに関心を持つ担い手候補との新たな接点を得られる可能性がある。
旅行会社が体験内容を設計し、ふるさと納税サイトが寄付者との接点を担うため、地域単独では届きにくかった層へ情報を発信しやすくなると考えられる。
一方で、一度の体験が実際の人材確保や継続参加へ直結するとは限らない。
受け入れ側には、安全管理や作業説明、参加者との調整といった負担が生じるため、地域事業者の体制整備が必要になるだろう。
また、返礼品としての魅力を優先しすぎれば、地域が本当に必要とする活動とのずれが生まれる恐れもある。
今後は、参加後の再訪やオンライン交流、別の担い手活動への案内など、体験後も関係を維持できる仕組みが重要になりそうだ。
北杜市と上田市での実施結果を踏まえ、地域ごとの課題に応じた返礼品へ展開できれば、ふるさと納税が地域への関心を一時的な寄付で終わらせず、長期的な関係人口を育てる基盤となることも期待できる。
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