東京エレクトロンは2027年3月期第1四半期決算を発表し、9月中間期の業績予想を上方修正した。
AIデータセンター向けを中心とする先端半導体投資が追い風となり、営業利益は従来予想から270億円増の4580億円を見込む。
AI需要を背景に上期業績を上方修正
東京エレクトロンは2026年7月30日、2027年3月期第1四半期決算を発表し、2027年3月期上期の売上高予想を、4月30日時点の1兆5700億円から1兆6200億円へ引き上げた。
営業利益は4310億円から4580億円、親会社株主に帰属する当期純利益は3280億円から3490億円へ上方修正している。
上期の営業利益率は従来予想の27.5%から28.3%、売上総利益率は45.5%から46.2%へ改善する見通しだ。中間配当予想も1株当たり364円から384円へ増額した。
第1四半期の売上高は前年同期比33.3%増の7323億円、営業利益は46.1%増の2114億円だった。
営業利益率は前年同期から2.6ポイント上昇して28.9%となり、親会社株主に帰属する当期純利益も39.5%増の1643億円に達している。
業績を押し上げた背景には、AIデータセンター向けを中心とする先端デバイス投資の拡大がある。
同社はWFE市場(※)について、2026年に1500億ドル以上、2027年には1900億ドル以上へ成長すると予測した。
GPUやHBMに加え、汎用メモリやCPUの需要も拡大し、AIデータセンター向けが市場全体の約50%に達する勢いだという。
2027年3月期上期の半導体製造装置の新規装置売上高は、1兆2400億円へ上方修正した。
第2四半期には前四半期比33%増となる7087億円を見込み、四半期として過去最高を更新する予想である。
事業別では、塗布現像装置の売上高が前期比50%超、エッチング装置が25%超、先進パッケージ関連が70%超の成長を見込む。
エッチング装置では、先端ロジックやメモリ向け投資を背景に、通期売上高1兆円が視野に入った。
※WFE市場:Wafer Fab Equipment市場の略称。成膜や洗浄、エッチングなど、半導体ウエハーの製造工程で使用される装置の市場を指す。
AI投資の恩恵拡大も供給リスクに注意
今回の上方修正は、AI向け半導体の需要が一部の高性能GPUだけでなく、HBMやDRAM、CPU、NANDへ広がっていることを示すものと言える。
複数のデバイス分野で設備投資が拡大すれば、東京エレクトロンは特定用途への依存を抑えながら、継続的な成長機会を得られる可能性がある。
先端ロジックやメモリでは微細化や積層化が進み、製造工程の複雑化も予想される。工程数が増加すれば、エッチングや成膜、洗浄など幅広い装置を展開する同社には追い風となり得る。
先進パッケージ分野での存在感を高められれば、AI半導体市場の成長を多方面から取り込めるだろう。
一方、急激な需要拡大は部品調達や生産能力の不足を招くおそれがある。
中東情勢やサプライチェーンの混乱によって供給が遅れれば、受注が増えても売上計上につながらず、原材料費や物流費の上昇が利益率を圧迫する可能性も否定できない。
今後は需要拡大に対応した供給体制や技術開発を維持し、高水準の利益成長を継続できるかが注目されそうだ。
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