2026年7月29日、シャープ株式会社が水なし自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」のハイエンドシリーズ新製品2機種を発表した。同シリーズとして初めて生成AIサービスを搭載し、9月17日より国内で販売が開始される。
生成AI「クックトーク」搭載で調理の提案から手動設定まで支援
今回発表された新型モデル「KN-HW24K」および「KN-HW16K」は、同社の対話型生成AIサービスである「クックトーク」に初めて対応した製品となる。
利用者は専用アプリを介し、AIアシスタントの「九十九しおり」に献立の相談や調理手順などを対話形式で問い合わせることが可能だ。
特筆すべきは、普段フライパンや鍋で作っている一般的なレシピの調理方法をAIが解析し、ホットクックでの加熱設定に変換して提案する機能である。使いたい食材を伝えるだけでレシピ自体を生成する機能も備えている(※生成レシピの加熱は手動設定)。
なお、既存の自動メニュー等であれば「クックトーク」から本体へ設定を送信し、すぐに調理を開始可能だ。手が離せない下ごしらえ時にも、音声入力を用いてスムーズな操作が行える仕組みだ。
ハードウェア面でも進化が見られ、同梱される「もっとトレー」は底面の開口率を同社の従来機比で約1.5倍に拡大した。これにより蒸気の効率的な巡航を実現し、上下2段で同時に異なる料理を作る「2段調理」のメニュー数を30種類へと大幅に増加させている。
さらに、事前に下ごしらえして冷凍した食材を解凍の手間なくそのまま加熱調理できる機能も新たに拡張された。
家電への生成AI融合が加速 家事負担の軽減とデータ連携に期待
家電製品におけるAI機能の搭載はこれまでも存在したが、対話型生成AIによる対話とレシピ提案の精度向上は、家事の省力化を一段上のフェーズへ引き上げると予想される。
単に自動調理を行うハードウェアの域を超え、日々の献立作成という精神的ストレスの緩和に寄与する存在になりうるだろう。
とりわけ共働き世帯や忙しいビジネスパーソンにとって、献立の意思決定コストを削減できるメリットは大きく、タイパ(タイムパフォーマンス)向上に直結する。
また、冷凍保存食材を直接調理できる機能と組み合わせることで、週末の作り置き習慣をより効率的なシステムへと変貌させる展開が見込まれる。
一方で、生成されたレシピの手動設定が一部必要である点や、高度な機能を利用するためにWi-Fi環境および専用アプリの連携が必須となるハードルも存在する。デジタル機器の操作に慣れていないユーザーへのフォローや、音声認識精度のさらなる向上が今後の課題になるかもしれない。
だが、家庭用調理家電が「単なる自動化」から「思考の補助」へと足を踏み入れた意味は重い。スマートホーム空間における中心的なインターフェースとして、AI調理家電の市場価値は今後いっそう高まっていく可能性を秘めている。