米Metaは、プロフィールの背後に実在する人物がいることを示す無料バッジ「Facebook Verified」を導入すると発表した。
自撮り動画と既存写真を照合し、MarketplaceやDatingなどに認証済みバッジを表示する。
自撮り動画で本人確認、主要機能にバッジ表示
2026年7月24日に発表されたFacebook Verifiedは、利用者が撮影した短い自撮り動画と、既存のプロフィール写真を照合する認証機能である。
手続きは無料で、通常は数分程度で完了するという。認証後はプロフィールに加え、Marketplace、Dating、グループなど、相手の実在性が重視される場所にバッジが表示される仕組みだ。
対象は18歳以上のFacebook利用者で、詐欺や不正行為、欺瞞的行為を禁止するコミュニティ規定を順守し、不自然な行動の証拠がないアカウントに限られる。
FacebookページやProMode(※)アカウントは対象外となる。提供は一部市場から段階的に始まり、その後、世界各地へ拡大する予定である。
背景には、生成AIによって文章や画像だけでなく、プロフィールやメッセージも容易に作成できるようになったことがある。
Facebookでは商品の売買や交際相手探し、グループ内の交流など、相手への信頼が行動判断に直結する機能が多い。
そこで、実在する人物が操作するアカウントかを視覚的に確認できる目印を設けることが決定された。
ただMetaは、バッジはFacebookが利用者を推奨したり、取引や発言の信頼性を保証したりするものではないと留保をしている。
あくまで自撮り認証を完了し、安全性に関する基準を満たした人物であることを示すものであるとのことだ。今後はフィード投稿への表示も予定されている。
※ProMode:個人プロフィールの公開機能や収益化機能などを拡張し、クリエイターとして活動しやすくするFacebookのプロフェッショナルモード。
偽アカウント対策に期待、バッジへの過信が課題
無料で利用できる認証バッジは、AIを使った偽プロフィールやなりすましへの警戒を促すうえで一定の効果が期待できる。
特にMarketplaceやDatingでは、相手が実在する人物だと確認できるだけでも、連絡や取引を始める際の不安を軽減しやすい。
料金を必要としないため、一部の有料利用者に限定されず、広く普及する可能性もある。
一方で、実在する人物であることと、その人物が信用できることは別問題だ。
認証済みアカウントでも虚偽の商品情報を掲載したり、不適切なメッセージを送ったりする余地は残るだろう。
バッジを安全性の保証と受け取る利用者が増えれば、警戒心が弱まり、詐欺やトラブルに巻き込まれるリスクも生じると考えられる。
また、自撮り動画と既存写真を照合する仕組みでは、顔に関する情報の管理方法が利用者の受容を左右するだろう。
認証データの保存期間や削除方法が十分に説明されなければ、利用をためらう人も出てくると考えられる。
世界展開にあたっては、地域ごとのプライバシー規制への対応も欠かせない。
今後の焦点は、バッジの普及率だけでなく、なりすましや詐欺被害の減少につながるかという実効性にありそうだ。
認証の意味と限界を周知し、通報や監視機能と組み合わせられれば、AI時代のSNSにおける新たな信頼確認手段になる可能性がある。
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