総務省は国内外のプラットフォーム事業者5社に対し、情報流通プラットフォーム対処法に基づく公表義務への違反を認定し、是正を勧告した。
5社には資料の再公表と定期的な報告を求め、GoogleとXには加えて改善計画の提出も要求している。
GoogleやXなど5社に是正勧告
総務省が2026年7月24日に公表した資料で、Google LLC、X Corp.、Meta Platforms、湘南西武ホーム、ドワンゴの5社に対し、勧告と報告徴収を実施したことが明らかになった。
各社が2026年5月31日までに公表した2025年度の送信防止措置の実施状況などを確認した結果、法律で定められた項目の全部または一部が掲載されていなかった。
情報流通プラットフォーム対処法(※)は、大規模なSNSや動画共有サービスなどに対し、権利侵害情報への対応状況を年1回公表するよう義務付けている。
利用者への透明性を高めるとともに、外部から対応の妥当性を検証できる状態を確保する狙いがある。
総務省は一部事業者に6月4日付で報告を求め、その内容も踏まえて違反を認定した。
5社には、2025年度資料を修正し、修正箇所を明示した上で2026年8月31日までに再公表するよう求めている。
技術的に修正が難しい場合は、2027年5月31日までに公表する2026年度資料以降で、全項目を確実に開示するための措置を講じなければならない。
GoogleとXには、改善措置と実施日程を盛り込んだ計画を8月31日までに日本語で提出するよう要求した。
5社はいずれも10月30日までに進捗や実施状況を報告し、2027年4月30日までは3カ月ごとの継続報告も必要になる。
※情報流通プラットフォーム対処法:インターネット上の権利侵害情報への迅速な対応や運用の透明化を目的とし、大規模プラットフォーム事業者に削除申出への対応体制や措置状況の公表などを求める法律。
透明性向上と運用負担が焦点に
今回の勧告により、巨大プラットフォームが権利侵害情報への対応状況を、国内利用者に分かりやすく示す重要性が改めて明確になったと言える。
公表項目が統一されれば、削除申出への対応件数や運用体制を事業者間で比較しやすくなり、外部による検証の実効性も高まると考えられる。
特にGoogle、X、Metaのように世界規模でサービスを展開する企業に対し、日本語で改善計画や進捗報告を求めた点は大きい。
海外本社が統一的に作成した資料を掲載するだけでなく、日本法が求める項目を国内向けに整理する体制が不可欠になるだろう。
日本市場における説明責任を強める契機になる可能性がある。
一方、今回の資料修正や3カ月ごとの報告は、事業者に追加の事務負担をもたらすと考えられる。
公表項目を形式的に埋めるだけでは、利用者が実際の対応状況を十分に把握できない可能性がある。
件数や処理期間の開示にとどまらず、判断基準や改善策を分かりやすく示す姿勢が、制度の実効性を左右するだろう。
今後は、5社が期限内に不備を是正するかに加え、次年度以降も安定して必要情報を開示できる仕組みを整えられるかが焦点となりそうだ。
総務省による継続確認が実効性を持てば、情プラ法は単なる報告制度にとどまらず、プラットフォーム運営の透明性や信頼性の向上を促す制度として機能する可能性がある。
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