2026年7月21日、サイバーソリューションズは、AIを活用した新セキュリティブランド「AiSE(アイシー)」を発表した。メールやチャットの内容を生成AIと大規模言語モデル(LLM)が文脈レベルで分析し、情報漏えいやコンプライアンス違反の検知を高度化する。企業の情報セキュニケーション基盤をAIで強化する取り組みとして注目される。
AIが文脈を理解しメールやチャットのリスクを判定
サイバーソリューションズが立ち上げた「AiSE」は、同社が20年以上にわたり培ってきたメールシステムやメールセキュリティ、アーカイブ・監査分野の技術と、生成AIを融合した新たなセキュリティプラットフォームである。従来のルールベースの検知から、AIが文脈を理解してリスクを判断する仕組みへ発展させた点が最大の特徴だ。
AIはメール本文やチャットの内容だけでなく、送信相手との関係性や過去のコミュニケーション履歴まで総合的に分析し、人間に近い判断で情報漏えいやコンプライアンス違反の可能性を評価する。キーワードの有無だけでは判別が難しかった不自然なやり取りや、業務内容と一致しない送信なども検知対象となる。
背景には、テレワークやハイブリッドワークの普及により、企業内外のコミュニケーションがメールからチャットまで多様化し、情報が複数チャネルへ分散している現状がある。誤送信や内部不正、ハラスメントなどのリスクも複雑化しており、固定ルールだけでは十分な対応が難しくなっていることが、AI活用を後押しした形である。
AI監査の普及で利便性向上も判断精度が重要に
AiSEシリーズ第1弾として、同社は2026年9月1日にAIメール誤送信対策サービスを提供する予定だ。メール本文や添付ファイル、宛先情報、過去の送受信履歴をリアルタイムで解析し、取引実績のない相手への送信や機密文書の誤送付、不自然な送信パターンなどを文脈に基づいて検知する。従来製品では難しかった判断を実現する技術として、特許も申請中である。
さらに今秋には第2弾として、AIメッセージ監査サービスの投入も予定している。メールやビジネスチャットを継続的に分析し、不正行為やコンプライアンス違反、ハラスメントの兆候を早期に可視化するほか、組織全体のコミュニケーション状況をダッシュボードで把握できる機能も備える計画だ。
生成AIを活用したセキュリティは、監査業務の効率化や情報漏えい対策の高度化につながる可能性がある一方、AIの判断精度や誤検知への対応、分析対象となるコミュニケーションデータの適切な管理も重要な課題となる。
今後は、企業がAIによる監視と従業員の利便性・プライバシー保護のバランスをどのように取るかが、導入拡大の鍵になると考えられる。