2026年7月21日、株式会社L is Bはビジネスチャット「direct」で会話履歴をナレッジ化するAI機能「directアシスタント」の先行トライアルを開始した。日本国内の現場業務の効率化を目指す。
過去のトークを瞬時に解析 チャット内に眠る現場知識を即座に共有
現場向けビジネスチャットを展開するL is Bは、トーク画面上で即座に利用できる生成AI機能の先行トライアル提供を開始した。2026年秋の正式リリースに先駆けて展開される本機能は、アプリを切り替えることなくワンタップで呼び出せる設計となっている。
最大の優位性は、チャット内に蓄積された過去のやりとりをAIが検索・解析・要約できる点にある。作業手順やトラブル対処法といった有用な情報は流れてしまいがちだが、膨大なデータから必要な情報を瞬時に提示可能となった。これにより、過去ログを遡る膨大な手間が削減される。
同社は10,000社以上の導入実績を持ち、特に建設や設備メンテナンス、小売といった現場の課題解決に注力してきた。2025年10月にベータ版を公開して以降、現場のフィードバックを反映させながら改良を重ねてきた経緯がある。2026年5月22日にはAIMS(※)に準拠した強固な安全管理体制を確立しており、セキュアな環境下でAIを活用できる基盤を整えた。
※AIMS:AIマネジメントシステム。AIの品質管理やセキュリティ、倫理的運用を組織的に管理・ガバナンスするための国際的な標準規格および管理体系。
属人化の解消と技能伝承に貢献 誤情報リスクへの適切な運用が鍵に
「directアシスタント」の導入は、深刻化する人手不足や技術伝承の遅れに悩む現場へ大きな波及効果をもたらすと予測される。例えば、夜間の設備トラブル時に過去の復旧手順を即座に呼び出すことで、特定のベテラン社員に頼らない対応が可能となる。熟練者のノウハウが自動的に組織の資産へ昇華されるメリットは計り知れない。
一方で、生成AI特有の課題にも配慮が必要である。AIが不正確な情報を出力するハルシネーションのリスクはゼロではないため、安全管理や重要な判断においては人間による情報の確認作業が不可欠となる。また、機密情報を取り扱う際の社内規定の策定も重要だ。
もっとも、強固なセキュリティ認証を備えたAI基盤が現場に浸透すれば、業務プロセスの変革は一気に加速する可能性がある。ビジネスチャットを単なる連絡ツールから「ナレッジプラットフォーム」へと進化させる今回の試みは、現場DXの新たな指針となるに違いない。