国内のマイナウォレット株式会社が、マイナンバーカードを活用したデジタル資産ウォレット「マイナウォレット」の一般提供開始を発表した。本人確認とノンカストディアル管理を組み合わせ、ステーブルコインやNFTなどをより利用しやすい環境の実現を目指す。
マイナンバーカード連携の「マイナウォレット」一般提供開始
マイナウォレット株式会社は2026年7月21日、デジタル資産ウォレットアプリ「マイナウォレット」の提供をApp StoreとGoogle Playで開始したと発表した。
マイナンバーカードをタッチして本人確認を行い、ステーブルコインや暗号資産、NFTの送受信、保有資産の推移を確認できる。
背景には、改正資金決済法などの制度整備を受けたステーブルコインや、ブロックチェーンを活用した決済・資産管理への関心がある。一方、ウォレットの導入や秘密鍵の管理、複雑な操作に不安を感じる利用者も想定され、利用のしやすさが課題となっていた。
同アプリは、ユーザー自身が秘密鍵を管理するノンカストディアルウォレットであり、アカウント作成時に登録したパスキーを使って操作する。
マイナンバーカードと公的個人認証サービス(JPKI)を組み合わせ、本人確認済みのデジタル資産管理環境を提供する点が特徴だ。
また、ステーブルコインやトークンの送受信などにかかるガス代をスポンサーする仕組みを導入し、利用者がブロックチェーン特有の手数料を意識せずに使える設計が採用されている。
Account Abstraction技術と公的個人認証サービスにより、端末や秘密鍵を失った場合のアカウント復旧にも対応する。
対応チェーンはEthereum、Polygon、Avalanche、Base、Optimism、Arbitrumで、順次拡大する予定としている。
今後は、自治体と連携したデジタル地域通貨や給付金の配布、第三者サービスが接続できるミニアプリプラットフォームの提供、Web3決済サービス「マイナペイ」の展開などを進める方針だ。
公的認証がWeb3の入口を広げる一方、運用面に課題も
マイナンバーカードを本人確認の入口として使える点は、デジタル資産に不慣れな層がサービスへアクセスする際の心理的な負担を抑える方向に働くと考えられる。
秘密鍵やガス代を意識する場面が減れば、従来のウォレットとは異なる利用体験につながりそうだ。
特に、自治体や金融、決済などのサービスと接続できれば、デジタル資産を投資目的に限らず、日常生活の中で扱う場面が増える可能性がある。本人確認済みの利用者基盤を活用できる点も、第三者サービスを呼び込むうえで一定の強みになり得る。
一方、マイナンバーカードとデジタル資産を結び付けることで、利用者には従来以上に情報管理への意識が求められる。
ノンカストディアル方式による自己管理の利点を保ちながら、紛失時の復旧や不正利用への対策をどこまで分かりやすく設計できるかが重要になりそうだ。
今後は、単にウォレットを提供するだけでなく、自治体や企業が安心して導入できる運用体制を築けるかが焦点になるだろう。
マイナンバーカードを起点にリアル経済とデジタル資産経済をつなぐ構想が、実際の利用場面でどこまで定着するかに注目したい。
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