SBIグローバルアセットマネジメントが、日本株式ファンドを世界で初めてパブリック・オンチェーン化した。
シンガポールのデジタル資産取引所DigiFTと連携し、日本株ファンドをブロックチェーン上で提供することで、海外投資家への販路拡大を目指す。
SBI、日本株ファンドを海外オンチェーン市場へ展開
SBIグローバルアセットマネジメントは、シンガポール金融管理局(MAS)の規制下で現実資産(RWA※)のトークン化を手掛けるデジタル資産取引所DigiFTと連携し、日本株式ファンドを世界で初めてパブリック・オンチェーン化したと、2026年7月15日に発表した。
対象となるのは、子会社のSBIアセットマネジメントが運用する「SBI日本高配当株式ファンド」の既存マザーファンドを活用した私募ファンドである。
2026年7月14日からDigiFT上でトークン化を開始し、シンガポールをはじめとする海外の適格投資家が、日本株ファンドへブロックチェーン経由で投資できる環境を整備した。
購入や決済には米ドルステーブルコイン「USDC」を利用できる。
将来的には日本円ステーブルコイン「JPYSC」にも対応し、日本円・米ドル双方からオンチェーン金融へアクセスできる環境を構築する計画だ。
プロジェクト全体の企画・運営を担うのは、SBIグループとDigiFTの合弁会社であるSBI Onchainである。
SBIグループは、日本株や日本円ステーブルコイン、DeFiを組み合わせた「日本発のオンチェーン資本市場」の実現を目指しており、今回の取り組みをその第一歩と位置付けている。
SBIグループは今後、MorphoのレンディングプロトコルやGauntletのリスク管理技術を活用し、日本株RWAトークンを担保としたレンディングやオンチェーン資産運用の実現も目指している。
なお、本件の基盤となる「SBI日本高配当株式ファンド」は、2023年12月の設定以来、純資産残高約2,200億円まで拡大しており、国内投資家から一定の支持を集めている。
※RWA:Real World Assetsの略。株式や債券、不動産などの現実資産をブロックチェーン上でトークン化し、デジタル資産として発行・取引できるようにする仕組み。
日本株の国際流通が加速 一方で普及には課題も
今回の取り組み最大のメリットは、日本株を従来の証券市場だけではなく、ブロックチェーン上でも流通させることで、海外投資家のアクセスを広げられる点だろう。
将来的にJPYSCへの対応が実現すれば、日本円・米ドル双方でシームレスに取引できる環境が整い、日本の金融資産の国際展開を後押しする可能性がある。
また、単なる保有資産ではなく、DeFi上で活用できる金融資産へ発展すれば、資産効率の向上や新たな金融サービスの創出につながることが期待される。
一方で、オンチェーン金融は各国の規制や投資家保護の枠組みに大きく左右される分野でもある。
現時点では海外の適格投資家向けであり、一般投資家が広く利用できる段階ではないことは留意点だ。
今後、日本国内で制度整備や市場インフラの構築が進めば、日本発のオンチェーン資本市場が国際金融市場における新たな選択肢として存在感を高めるかもしれない。
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